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1958年9月発行 読谷村だより / 2頁

わたしにも君にもできるたすけあい 協同募金と社協活動 

わたしにも君にもできるたすけあい 
協同募金と社協活動 読谷村社協 知花成昇

(一)、共同募金は社会福祉増進の好適な運動である。住民たすけあい赤い羽根共同募金運動が社会福祉増進を促す好適な運動であることを理解し社協の事理監事評議員や地域社会の指導者が卒先して奉仕者になり協力しなければ共同募金は輝かしい成果を収めることは困難である。輝かしい成果といふことは必ずしも金額の多いことを意味しない。社協の財源の大半は共同募金からの分配金が占めているので目標額を達成することは今後の社協活動を促進することに必要なことではあるが、それより大切な事は奉仕者も寄附者も喜んで募金運動に参加出来る雰囲気を作り出すことである。奉仕者は社会福祉の増進のために奉仕出来ることを誇りとして社会福祉の向上は社会の連帯責任だと考え奉仕して戴き、寄付者は不幸な人たちを住民全体で助け合う赤い羽根募金運動を正しく理解して自発的に気持よく応分の寄附して戴く、その結果として目標額が達成出来るようにしたいものである。奉仕者が一番落騰することは金持や有識者に理解ないときである。
(二)、募金に先だってPRを住民は赤い羽根のゆくえを知りたがっている。赤い羽根運動こそ社協や受配者のPRの好機であると思う毎年のことではあるが募金運動にさき立って行われる募金協議会では「赤い羽根のゆくえを知りたい」という強い声が示される。受配団体、施設の名福や配分額だけでは充分でない。赤い羽根のゆくえを知らせるということは社会福祉事業の実態を知らせることにほかならないので赤い羽根のゆくえを知りたいという住民の声に受配者自身でその活動状況をPRすることは募金成績をよくする最もよい方法であり、また受配者として共同募金に協力する最もよい方法でもあると思はれる。地方農村では受配団体施設の名称、所在地さえ充分知られていない。募金運動期間に受配者自体で施設要覧や新聞、ラジオその他の方法で充分理解されるようにし、民間社会福祉事業の経営の苦しさや、公の委記費や措置費も十分でなく、あまねく住民の拠出された共同募金からの配分金によって民間社会福祉事業が維持され推進向上されるものであることも知らしめ今後の共同募金計画に地域住民が積極的に協力するように働きかけることがのぞましい。
(三)募金方法は
募金方法は戸別街頭職域大口等いろいろ重複して行われているが都市地区では街頭募金が主体となって行われ、農村地区では戸別募金を主体にして他の方法も合せ行われていると思はれるが戸別募金は割当額を果すために強制的な誤解をうけ易い。世帯一率割当は絶対に避けるべきで寄附の任意性を尊重しなければならない。趣旨が徹底しないと無理解な人が多く募金はやりにくいし、素赴な農村民は趣旨を理解して応募したのでなく奉仕者や近所の義理だてのために拠金するということもあり得る。「人を見て法を解け」という言葉もあるように農村の人には農村人向きにじわじわと心に働きかけ十分な納得の上応分の寄附をお願しなければならないと思う。奉仕者も割当額を果たすために強制的であると誤解されぬよう心掛けなければならない。
(四)社協活動の促進するためには一応目標額を
目標額を果すためには多少強制的になるのでよくないという意見もよく聞かされるが社協財源の大半が配分金で占めておるので一応の目標額はあるべきだと思ふ。社協活動が住民から認められたときでないと全住民全体参加の募金は困難である沖社協の目標額(割当額)だけでは村社協の事業計画の実践が出来ないので村社協では沖社協の割当額を超過して目標額を定めなければならない。その場合特に村社協の事業計画や前年度募金の使途事業報告等を詳しく全住民に納得出来るように部落常会等を利用してPRしなければ充分な理解は得られない。
(五)募金に参加するには本能的同情行為でなく社会人としての連帯責任から応分の寄附を人は誰でも常によりよき生活を望み、幸福でありたいと願っている。しかし世の中には不幸な人が多い人並みの生活どころかその日暮しにも困っている人が少くない。全琉の扶助世帯は約八、○○○世帯で約二七、○○○人、ボーダーラインの生活をしている者は約六五、○○○人-七○、○○○人だといはれている。年老いて身寄りのない人、幼くして父母なき者、失業者、盲聾唖者、精簿者、身体障害者等いろいろ不遇な人が多いこのような人々を社会構成員であるお互が社会の連帯責任として世話し救つてあげることが社会事業であろう。人の難儀を黙過することは忍びない。他人の災害とか不幸とかに対しては同情の気持からこれを救済しようとする人間本来の慈悲心は当然おこらねばならないが、人間生活は持ちつ持たれつ、助けあいの生活であって、この事がなければ人間生活は成立しないといふ考えから自分たちの住む社会をみんなで立派にするためには社会の幸、不幸を個人の幸、不幸に関連して考えその欠陥や不幸を是正する責任を社会の構成員で分担すべきであり社会の弱い者病める者貧困者身心の欠陥ある者の保護救済は社会人みんなの責任として赤い羽根共同募金に全住民の参加がのぞましい。

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