読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1962年11月発行 読谷村だより / 3頁

みんなそろって健康診断 十一月十九日から結核予防週間

〔77号2ページの続き〕

り自分自身と共に安心して健康な生活が出来るからです。一家そろって健康診断を受ければ、受けた一年間は安心であり、鬼に金棒です。

四 検診は手軽に出来る
 健康診断はすぐ近くで出来ますし、しかも皆さん次第でほんの僅かな時間で済み、経費もそうかかりませんから検診を必ず受けて下さい。

五 法律にも決められている
 皆さんが健康診断をうけるように、結核予防法にも決められています。皆さんが自分勝手に受けないということでは困ります。もし結核にかかったら、地域社会に結核をまん延させないために法律的にもみんなが健康診断を受けるように決められています。結核にかかればお薬も、治療もすべて無料で政府からの恩恵を受け安心して治療に専念することが出来ます。
① ツベルクリン反応
ツベルクリン反応を説明しますと、我々の身体に結核菌が入ってしまうと現在病気をもっていると否とに拘らず、通常過敏性症状をもっていて、過敏抗原である旧ツベルクリン液を皮内に注射すると発赤、腫張の反応を示します。これをアレルギー反応と言われているもので、これが陽性(+)であれば結核菌に犯されている事は確かであるが、現在如何なる病症にあるという事は分からない。即ち現在大体無症状で完全に治癒したものでも陽性に出るからです。
陰性(-)のものの大部分のものは結核菌の漫襲を蒙っていない健康者であるが極く少数にかかって陽性だった病勢が進行して重篤となり末期になると陰性(-)になる事があります。然し集団検診では健康者を対照としていますのでそんな人はいませんから一応考えなくともよろしいでしょう。

判定
四十八時間後の局所(前膊の内側の中央より、やや上部にやるのが普通)の発赤の大きさを横径、縦径をミリメートルで計ります。
(-)発赤が○~四ミリまだ結核菌が身体に入っていない即ち健康者である
(+-)発赤が五~九ミリ(+-)発赤が五~九ミリ(+)か(-)かどっちかに定めにくい。
(+)発赤が十ミリ
以上結核菌の感染を受けている。
反応測定の結果(+)に出たからと言って心配する必要はありません。大人は80~90%も(+)ですし、学童でも10~15%位は(+)です。(+)の中に結核の人がいるわけですからX線撮影をする必要があります。

陽転
 これは今迄ツベルクリン反応が陰性(-)だったものが今回は陽性(+)に出た時陽転(陽性転化)したと言います。ですから一回ツベルクリン反応をやって陽性に出たからと言って陽転とは言えません。これはあくまで陽性です。
例えば三年前にツベルクリン反応をやって(-)だった。人が今回は(-)に出たらこれは三年間に陽転した事になるのです。即ち結核菌が侵入した事になるのです。ツベルクリン反応を三ヶ月間隔位にやったら陽転の時期が明確になります。では何故陽転は殊更に問題にするかと言いますと、陽転して一年間が発病率が最も高いのです。この時期を無事に過ごしたら結核の危機を逃れたと思ってもよろしいでしょう。よく運動選手等が急に助膜炎をやるのはこの陽転を知らずに運動をやり疲労させ体力の低下等によるものです。
陽転が分ったら作業や体操等を休ませる事一年間は三ヵ月毎にX線をとって追及して行かねばなりません。よく睡眠をとらせるカロリーの高い蛋白質や脂肪を沢山やる事です。ヒドジツドという薬を予防的に服せます。

② 間接撮影
 初めから直接撮影をやったら良いのですが、第一経費が重みますし、操作に暇とり、沢山の人数をとる事が出来ませんから便利な間接撮影をするのです。これは蛍光板に写った影をカメラで撮ったもので小さくて細かい所がよく分かりませんからこれで大まかに正常かをよく分けます。そして少しでも異常のあるものを直接撮影(大きいフィルム)でうつし精査します
(+)所見のあるもの
(+-)はっきりしないもの
(-)健康者

③ 直接撮影
 普通にレントゲン写真と言っているもので、フィルムを蛍光板の間に挿み、レントゲン線を感光させています。
▽活動性(軽症・中等症・重症に分れる)現状病巣が進行状態にあるもの病巣のひろがりにより軽症状-重症に分けられ厳密にしらべたら菌が出ます医者の治療を要し療養生活に入らねばなりません

▽非活動性
病巣は一応治ゆしてはん痕が残っているようなものですが何時再発するか分かりませんので六ヶ月間隔でレントゲンをとらねばなりません。これで三年間変化がなければ治ゆしていると認めます。

▽陰性所見の無いもの健康者です。

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