読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1963年5月発行 読谷村だより / 3頁

研修報告  別府市内観光 町長が歓迎の挨拶 窓口事務の合理的過営

〔82号1・2ページの続き〕

(日本唯一のベンベルグ工場を見学)
 あさ九時宮崎発延岡へ、旭化成工場株式会社ベンベルグ工場を見学、同社事務課の佐藤春義氏がわざわざ歓迎の挨拶を述べ、工場の説明案内をして頂いた。
 一九○五年ドイツにベンベルグ会社が設立され、糸の工場化に成功、一九二八年旭化成がドイツベンベルグ会社との間に特許権譲受契約を結び、一九三○年工場建設に着手、翌一九三一年には日本最初のベンベルグ市場に現われた。
 これは世界でも稼働中のものはドイツ、アメリカ、イタリー、日本の四ケ所で勿論日本でも旭化成一社のみ、工場は拡張に拡張を加え発展の一途をたどっている。同工場の総面積は一一万坪で、今年半分の売上額は九○億円、一日当り五千万円(一四万弗)になる。原料の綿はアメリカから輸入し、製品の三五%は海外輸出で六五%は国内の需要に充てられる。
 従業員は三、五○○人でオートメイション化されているので、全工員油にまみれる事なく服装もきちんとして七時間労働、然も三○分に一○分各事業場に軽音楽を流し、楽しく、能率的な労務管理がなされ皆が愉快に仕事に精出していた。

三月一九日
 今朝議長と新垣秀吉氏が県の事務局へ御礼に行き、九時五分発の急行フェニックス号で別府へ、車窓に映る景色を楽しみ乍らもやはり強行軍の疲れか誰とはなしにすやすや、気持よくうとうとしている。ひる一時別府着、温泉で疲れを癒し、市内観光。

三月二○日水
別府市内観光
 別府市は人口一一万人、昔から湯台場として知られ、風光明媚な温泉郷で温泉の湧出口四、三○○余、年間数百万人の観光客を誘致して発達している。観光地は国立公園高崎山自然動物園と地下五・六百尺の深度から摂氏一○○度内外の噴気、熱湯、熱泥が地上に湧出するという自然の壮観が観光客の目をうばっている。午後一一時くれない丸で別府港を発つ。

三月二一日
 今朝八時香川県高松港に入港、船は定員オーバー、身動きも出来ない程乗り込んで船中ゆっくり休む事も出来ず今朝は何となく頭が重い。旅館柳に荷物を傾け直ぐ県の自治会館に行ったが春の彼岸で公休、旅館に引かえしこれ迄の日程を反省メモした。

町長が歓迎の挨拶 
議員の皆様と会食し乍ら懇談

三月二二日
 ある県の町村議会事務局を訪問、事務局長の今井豊重氏に挨拶、今井局長が日程をつくり今日は大川郡志度町議会本義会を傍聴、11時我々が着いた時は開会中で傍聴席に落着くや議長の池田保治朗氏は休会を宣し、町長木内義矩氏から歓迎の挨拶を受け懇縮した。我々も又議長が御礼の言葉を述べた。
 志度町は人々一万八千人で議員は法定数26人、条例定数22人で議会活動の住民へのPRとして議会毎に単独で議会広報を発行すると共に有線放送施設を利用して本会議の状況をテープに収録して町民に流している。
 一般質問は通先制によって行われ、議決機関と執行機関が相協力して建設的に議会の運営がなされている。先づ私達一行が感じた事は何れの町村においても議会事務局が充実し議会活動が大変活発に行はれている。例えば事務局職員が法令の研究をなし議会活動に必要な資料を集め、議会活動を通して住民の福祉繁栄に大きく寄与している。
又何れの町村議会においても本会議は町長以下各課長が出席し補促説明して議案審議を容易ならしめている点は参考になり又学ぶべきだと思った。
 特に町村議会議長会事務局が充実していて各町村議会の事務局職員を指導し、町村議会は町村議会独自の立場から色々法令研究をしているとの事だ。
 町の基本産業はやはり農業主体で農業構造の改善に相当力を入れている。特に最近食生活の改善によって豚肉が要求さ、その波にのって豚の飼育が盛んである

窓口事務の合理的過営
 同町は県の指定事務改善町で又同町の町長は県の事務改善協議会副会長も兼ね、役場事務全般にわたりロード式に切替え、伝票会計方式採用し相当事務能率を上げている。 窓口事務の合理化については住民へのサービス本位として窓口事務の合理化により事務処理時間を短縮し住民の待合時間を節約する。届出の簡素化、窓口係の代筆等により座ったまま、目の前で安易に用件が満たされている。住民が窓口係へ用件を申し出ると座ったまま事務手続きが有機的に処理され、手続きもれがなく二度も三度も役所に来ることがない。大体以上の点があげられている。

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