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1964年3月発行 読谷村だより / 3頁

体育研究発表会 渡慶次小学校 

体育研究発表会
渡慶次小学校

 渡慶次小学校(校長伊波剛氏)では六三年四月に、「器械運動(とび箱、鉄棒)の技能を高めるにはどのように指導したらよいか」というテーマで文教局指定の研究学校をひき受け、次の研究方針に基いて今日まで研究を続け、二月二十一日に研究学校報告書をまとめ発表会を行なった。

研究方針
1 体育科各領域目標、内容をよく把握する。
2 指導計画に基いて研究実践する。
3 指導法を研究する。(系続指導段階指導)
4 教具器械の活用、管理を研究する。
 午前は健康観察、体育の一般授業、指定授業鼓笛パレードを行ない、ひるから分科会を開いて授業研究会研究発表引続き全体会議を開いて全日程を終えた。

 主題設定の理由は
 器械運動の興味は、技能の習得を通してのみ湧いてくるものであり、興味づけることは指導者にとって最も重要な問題である。まず「できる」ようにすることが問題解決の鍵であろう。心身の健全な発達を目指して必要な学習内容を偏りなく指導することは大切なことであり、一部の教材に偏りがちな欠陥をただし、偏った体育指導を正常な姿にもどすために器械運動に手がかりを求め、学校の実情にもとづいてテーマを設定した。
 尚研究学校報告書による器械運動に対する基本的な考え方は概要次のとおり
 教育の推進にあたって余りにも問題■く、指導の困難さが痛感されるのが体育科である。過去の本校の体育学習の実践の後を省ると問題は教師側に大きな責任があった。確とした目標をもたずに学習を展開していったことが大半であった従って計画的指導は勿論、系統的段階的指導がなされず、児童の興味にまかせた指導がなされたのである。
 指導要領の特色の一つである系統性ということからも、かかる孤立的な指導はさけ、体育学習を軌道に乗せるためにも問題の多い教材である器械運動の研究にその糸口をつかむことにした。個人技能を主とした器械運動は個人の技能の差や能不能が明瞭になることが大きな特色といわれる。できるようになってはじめて興味を喚起するものでありそのことが技能向上の突破口である。
 一ヵ年の研究期間ではどの域まで深め得るかと疑問であるが、技能の劣る児童に目を注いだのは、一人でも多くの児童が器械運動に興味を抱き、意欲的に練習するようになれば、次の段階は労せずして技能の向上が期せられると思ったからである。

 体育科研究発表会の反省と所感
 本校は去年の四月に「体育科における器械運動(とび箱鉄棒)の技能を高めるにはどのように指導したらよいかというテーマで文教局指定の研究学校をひきうけ一ヵ年の研究の歩みについて去る二月二十一日に研究発表会を無事に終える事ができました事は区教育委員会村当局校区PTAの皆様方のこれまでの御協力の賜と厚く感謝申し上げます。発表会当日の反省と研究テーマについて所感の一端を申し述べたいと思います。当日は朝からの小雨冷えこんだ天気にもかかわりませず文教局中部連合教育区遠くは北部の奥小学校南部那覇中部の各先生方三百人余りと村当局教育委員会議会議員区長さん校区PTA二五○人の方々に参観を得まして盛会裡に体育学習発表会を持ったわけでありますが、あのような天気にもかかわらず子供等も職員も一層張り切って平素より以上の好成績の学習発表会であったと文教局の保健体育課長さんや教育長先生からのおほめの言葉をいただいたのであります。参観にこられた先生方は異句同音にすばらしい流石は教育村読谷だと感銘したようであります。私等三十名の職員は御言葉に甘じる事なく益々自重自愛して次年度も残された問題点を解決すべく更に研究を深めて子供等の幸福をはかっていきたいと思って居ります。本校が体育科の教科を選定し研究発表をひきうけたのは教育の中でも特に体育は健康な身体づくりの基礎でありここからあらゆる人間の活動が生まれ学習が展開されると思います、しかしながらこれまでの体育科は他の教科に比較して一般に軽視の傾向があった事は否定できません。また教師の指導技術のまずさや施設設備の不足等のために系統的段階的指導が充分なされなかった憾みがあったことも事実であります。本校では体育科の中では特に器械運動をとりあげ指導技術の向上体育施設の充実を目ざして幾多の困難点をかかえながらそれを克服し全職員一丸となり研究を続けて来たのでありますが研究の成果はささやかなものではありますが今回の研究によって子供等の鉄棒、とび箱の技能が各学年を通じて一学期よりすばらしく上達した点他教科に対する学習意欲が高まり

※写真「健康な体は、私達の日常生活において最上位にランクされるものである。よって体育科も学習上一段と重要視されるに至った。 写真は研究発表会のおりの授業の一こま」は原本参照

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