読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1965年4月発行 読谷村だより / 3頁

マッシュルームを本村の名産物に

マッシュルームを本村の名産物に
 マッシュルームは和名はハラタケと称され「ナーバ」の一種であります。これは五年ほど前から今帰仁村や糸満町で試験栽培され、栽培においては成功しています。
本村においても昨年の九月から試験栽培致しました。試験栽培の概要を申し上げますと、その主なる目的はコンポスト(堆肥)の試験であります。従来コンポスト原料(堆肥)は稲ワラでなければ出来ないという考えが大でありましたので原料試験として、稲ワラ区、甘蔗枯葉区、ススキ区、馬糞区、甘蔗枯葉3/2+稲3/1区ススキ3/2+稲ワラ3/1区の六区に区分し堆肥原料試験をしています。
その結果、最も良いのは勿論、稲ワラ区で、次が甘蔗枯葉区、馬糞区となっていますが、その差はわずかであります。
本村には稲ワラが少ないので甘蔗枯葉の利用ということを重点に考え試験結果の成績も大変良好でありますので甘蔗枯葉で栽培いたしたいと考えています。
先述したように過去において、二、三の町村で栽培の動きがあったわけではありますが成功していません。
この原因は販路問題が最も大きいです。
マッシュルームは、毎日収穫する作物で、又収穫後は敏速に処理しなければならない作物でありますので、固定した販路、出荷場がなければならないわけであります。
本村において、試験栽培が成功し、農家に普及する段階に来て販路を心配していた矢先に、那覇のクロンデールストアという合資会社が那覇の繁多川に六万弗を投じて罐詰加工場を設置しマッシュルームを企業としてやることになりました村と会社との話し合いがまとまり販路の見通しは明るく今後の産業として期待され、村としても各部落まわりで農事懇談会において取り上げ推進しています。
帰女子、中、高校生の労力で充分に栽培できるマッシュルームを、読谷村に新しくもり育てて、豊かな暮ししを設計しよう。

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