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1965年12月発行 読谷村だより / 4頁

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畜産 与那嶺光雄
 去った四日(土)、役所の庁庭で各部落の代表畜牛展示会が開かれにぎわつた
 日頃土と畜牛にいどみ、あせによごれた服も、今日は自分の飼育したモーちやんのために、アイロンの折り目正しい服装に変え鼻綱をしつかりと握つている。
私も百性として土を愛し畜産に親しむ一員として見学に行つた。各区から出頭した牛は全部で二十六頭。
おてんとう様はキラキラと輝き、高い秋空の下に並ぶ牛どもの雄姿が、読谷村の畜産繁盛を物語つているかのようである。
 自分の牛のよさ、そして他の牛のよさをくらべる様に飼主の視線とは東奔西走する。そのためか、牛どもはコウフンして性理現象が早く、はねかえる土面に妙な音を出し乍ら飛糞を遠慮もなしに放つている。
 それをズボンに受けるのも感じる一心に牛々の体すみずみをながめておる方あつた。家に帰つて初めてそれに気づき、かあちやんにあぶらをしぼられるかも知れない。然し優秀な牛を送り出すためには、汚れを知らぬ、苦労をいとわぬ所が読谷農民の真の意気でありましよう。
 十二月と云うのに、四季の変化に乏しいと云われる沖繩の気候では今も二十五度をマークすると聞きます。
 そんな直射光線に背をしながら、ノツシノツシと主に従つて歩き、嬉しいことも、要求不満も唯「モー」と一言で語ることのできない牛。落着いておる静かな足どりから、あの黒光りするたくましい体が作れるのだろうか。牛のひとつひとに目をくばり乍ら私は考える。ここに集つた二十六頭の牛は、そしてそのハナ綱をつかむ飼主の心は一位、二位を争うための目的だろうか。りつぱに体形の整つた牛を求め、律動的飼育を施すことによつて名牛が生れる。
 受賞もりつぱなことだが目的はいかに早く、そして正確に、理想に近い牛を作るかによる努力であり、生きがいでもありましよう。一目見て、どんな素人にでもいい牛であることが解る様な、そんなすばらしい牛がこの読谷に、そして、全県えとひろまつていくことを望み度い。
 「よい体形、そして常に黒光りのするつやのある色、形よいつめの作り、この辺に注意して牛を見ればそのよさが解る」とじう医さんは話して下さいました。
 役所の経済課では今、マシユルーム栽培と、果樹園に全てを注いでおり、畜産意欲の養成にも余心がないと聞いていますが、益々今後の繁栄が見られることを期待している一人です。

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