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1966年7月発行 読谷村だより / 4頁

一九六六年度 第三回議会定例会(議会 報告)  

〔108号3ページの続き〕

つて毎年異なるものでありこのような臨時的人夫を全部月給制度にし市町村自治法第一三九条を適用させることは制度上適当でないとの理由で議会はこれを削除し、予算においては一日二ドル三十セント(現在二ドル)の賃金に増額し期末手当の代りに年間五十ドルの割増賃金を支給することにした。
 抗議文に対する議会の反論
 今まで述べた理由によつて議会は削除又は修正したのである。これに対して読谷村役所職員労働組合は、本会に対して、議会は、自治法第三十六条によつて条例を設け又は改廃することのできる権限又は、予算の才入才出を定める権限をもつて、役所職員労働組合と村長が妥結した条件を無視した行為と判断していることは、市町村自治法や条例その他市町村の関係法令によつて職務を行う市町村の職員が労基法並びに労組法を乱用し市町村自治法を無視し、村民の意志決定機関である本村議会を軽視した行き過ぎの行為である。今回の役所職員労働組合よりの抗議に対し反論をなし村民の代表機関である本義会として遺憾の意を表するものである。
法の見解に対する反論
1憲法第二十八条の軽視について、
 議会が予算並びに条例を修正し又は削除したとの事で憲法二十八条を軽視したと判断しているが、議会は自治法第三十六条の規定により、同条第一項第一号に条例を設け又は改廃することができる。同じく二号に才入才出予算を定めることができる。また第三千七条では、才入才出予算の増額、修正の権限が明記されており、本会が条例案又は予算案を修正又は削除したことは、この法の規定によつてなされたものである。もしもこれが憲法第二十八条を軽視した事であれば、この市町村自治法を制定した立法院が憲法を軽視したことであり、組合は総力を挙げて立法院に市町村自治法の改正を要請すべきであると思考する。
2、自治法第三十六条の乱用について
 自治法第三十六条は、市町村議会が議決すべき事項を視定したものである。又その二項には、この外に市町村は条例で市町村に関する事件につき議会の決議すべきものを定めることができるとなつており、本会の行為は三十六条の乱用ではなく、権限である事は村の職員であれば知らなければならない。
3、労組法を無視した行為について、
 自治法第百三十九条の二項には、市町村は条例で前項の職員に対し特殊勤務手当、時間外勤務手当 宿日直手当、夜間勤務手当、期末手当、又は退職手当を支給することができるとされており、支給しなければならないと義務付けはされてないので、当然議会の修正の権限がある。
 自治法第百三十九条の二には、市町村はいかなる給与、その他の給付も立法又は、これに基づく条例に基づかずには、これを第百三十八条第一項の職員及び前条第一項の職員に支給することができないとされている。そのような法の規定に基づき条例案又は予算案の修正あるいは削除された事を職員は知るべきである。
 また議会が決定した職員の給与又は待遇について、不服あるいは、異議がある場合は市町村自治法第百十一条に「議会における条例の制定若しくは改廃又は才入才出予算に関する議決について異議があるときは、市町村長は、この立法に特別の定があるものを除く外その送付を受けた日から十日以内に理由を示してこれを再議に付することができる」と云う規定があるからこの規定に基づいて役所職員労働組合は再議に付す理由を村長に申し出て、村長から再議に付すこともできるのである。また同法第百四十条の二によつて、市町村長に異議の申し立てができるとされている。
 その二項には、前項の規定による異議の申し立てがあつたときは、市町村長は、議会に諮つてこれを決定しなければならないとされている。
 その三項には議会は、前項の規定により諮問があつた日から二十日以内に意見を述べなければならないとされている。
 その四項には、第二項の決定に不服がある者は、行政主帯に訴願し、その裁決に不服がある者は、裁決のあつた日から九十日以内に裁判所に出訴することができるとされている。このような法的手続きがあるにもかかわらず役所職員労働組合が村議会を反省させるために抗議をしたいということは行きすぎである。また法的権限によつて審議したものを役所職員労働組合からの抗議によつて反省し、是正するような無責任な議会であれば、住民の代表機関としての職務を果すことができない能なしの議会であると思慮し、今回の役所職員労働組合の行きすぎた行為に対して強く反省をうながすものである。
 このように組合よりの抗議が問題になりましたが、これは労基法や自治法の権限による法の見解の相違から起つた事であり、議会と組合が充分に話し合いの場をもち「雨降つて地かたまる」のたとえの如く正常にもどし共に村民福祉のため、本村発展のために努力っする事をお誓い申し上げ議会報告と致します。

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