1967年の動き
やっと文化生活の仲間入り
FBIS(海外放送情報局)の受信の障害になるという理由で電気の使用を禁じられ、しかたなく毎日暗いランプ生活を送っていた渡慶次二〇七番地玉城汪徳さん外九世帯は、「これ以上ランプ生活にたえられない」として、村を通じて現地部隊や琉球政府、立法院、高等弁務官に「電灯」だけでも許してもらうよう陳情していましたが、去る三月二十九日付けで許可になりやっと文化生活の仲間入りが出来た。
※どうなる農作物撤去問題
村の総面積の約八〇%の土地が軍用地に接収され、基地の中で生活を営む本村は、毎年村民と米軍の間に不祥な問題が発生し、村当局や議会は、米軍、高等弁務官、政府立法院等に「抗議」と「陳情」をくり返し、問題解決に奔走している。
六五年六月の隆子ちゃん圧殺事件、六六年十二月の角材投下事件、今年三月の読谷飛行場内の農作物撤去問題、さらに今問題になっている渡具知、古堅地域の黙認耕作地内の農作物撤去問題は、村当局や関係部落で必死になって阻止運動を展開しているが、解決をみずに年を越しそうである。
※冠婚葬祭のおみやげや記念品を廃止
最近派手になってくる諸行事、特に冠婚葬祭の簡素化を図り、一人一人の生活を豊かにし、明るく幸せな家庭、住み良い社会を建設しようと、読谷村新生活推進協議議会が去る十一月十三日と十二月八日に宇座公民館で開かれ「冠婚葬祭のおみやげや記念品をいっせいに廃止する。」「結婚式の祝儀は一ドル以内とする。結婚披露宴は自宅か公民館で行うようにする」等を決め、村一円に強力な実践運動を展開することを決めた。
※三年目を迎える楚辺の酪農
儲かる農業をめざして楚辺に酪農組合が誕生し村民から注目されたが、あれから二年目、今では組合員もすっかり酪農経営に自信を持ち、乳牛の世話に張切っている。
村経済課では、三年目を迎えるにあたり、確固たる基礎を築いて益々発展させるために、沖繩畜産会酪農コンサルタント団を去る十一月六日と十三日に招いて、楚辺の酪農農家の経営実態をつぶさにみてもらい指導助言をしてもらった。
※古堅中学校にプール完成
村民待望の水泳プールが建設されプール開きが去る十月十日はなやかに行われた。このプールの長さ二五メートル巾一五メートルの七コースで、八〇%の政府補助を得て、村が建設したもので一一、八九六ドルの工費で八月末に完成しております
※第一八回沖縄体育祭開催
スポーツの振興スポーツの普及奨励を目的とする第一八回沖繩体育祭が去る四月三〇日読谷小学校グランドで盛大に行われた
当日は沖繩スポーツ界の一流選手が模範演技を披露した外、体力づくりの指導で来沖した東京オリンピックゴールドメダリスト体操の遠藤幸雄選手、三栗選手も特別参加して演技を披露し、つめかけた観衆をすっかり魅了させた。
※人参の主産地づくりえ!!
本村の土壌の条件から人参の産地づくりは最も有望であります。三月~五月の三ヶ月間は価格も安く、過剰ぎみでありますが、その月以外は輸入している現状であり、今後の課題は七~八月、二~三月揺種して、端境期に生産することです。村の事業として七、八、九月と二~三月の端境期栽培展示圃を設置し、その普及を進めていますが、ややいい成績を納めていますので農家に「人参」作付を奨励し「読谷村を「人参の主産地」にしたい。
※村の水道施設九〇%完成
村水道課では、村内未給水地域を年次的に給水すべく一、九六九年度を目標に全村給水計画を立て、その第一次計画の中部水道(喜名、親志、座喜味、上地、波平)が六六年八月に完成し、第二次計画の南部水道(大湾比謝橋、比謝、渡具知)及び高志保、宇座地域の施設も去る八月に完成し給水の段階に入っておりますので、本村の九〇%の地域に水道施設が施工されて、三、〇〇〇世帯余、約一六、七〇〇人に給水されております。
※施設園芸を奨励
村では農業振興の一環として利益の多い施設園芸をすすめるため、村予算にビニールハウス設置補助、カンレーシヤ購入補助を計上し、施設園芸を奨励しております。
これは、夏期はカンレーシヤを利用して、ねぎ、そ菜類の冬野菜をつくり、冬はビニールを利用して、キューリ、ピーマン等の夏野菜をつくろうというもので、現在村内に十二棟のビニールハウス(五五坪)が設置され、キューリ等が作付されている。
※講和発効前損失補償金 一三一万余ドル支払う
早期支払いが待ち望まれていた講和発効前損失補償金が去る四月と七月に本村で支払われた。
今度支払われたのは人身補償に対して二万余ドル土地使用に対して一二九万ドル合計一三一万余ドルが支払われた。
※教育委員選挙
知花義雄、大城貞保上地松徳、三教育委員の任期満了に伴う教育委員選挙が去る三月五日に行われ、無投票で大湾梅成氏、比嘉寅吉氏、知花義雄氏が当選した。