我が家の家計簿 楚辺 池原 貞
金融検査庁は貯蓄増強運動の一環として「わが家の家計簿記帳体験記」を募集していましたが、その発表が、さる二月十五日行なわれました。それによると第一部の特選に池原貞子(楚辺二〇一七の四番地)秀作に島袋オツル(座喜味二五三五)が、第二部の特選に知念トキ(波平三〇六)がそれぞれ入選しております。
特選に選ばれた方の「我が家の家計簿記帳体験記」を紹介し村民に供したいと思います。
我が家の家計簿
池 原 貞
五、六年前主婦と生活の家計簿をつけていましたが、その時は、自家生産収入と、わずかばかりのこずかい銭を記入するのみだった。当時は買い物をしても値段が高いのか安いのか知らないばかりか、一家の主婦とは名ばかり、炊事係と野良通いの明け暮にすぎてしまいました。ですから婦連の物価の値下げのシヤモジデモも私にとっては、犬のとおぼえとしか思えませんでした。私が記帳するのはただ自分のかぼそい手で生産した農作物が、家庭経済にどれだけプラスしているかを見い出すため、無心にメモするのみだけでした。それでも家族から誤解をうける事がしばしばで、家庭経済をにぎり度いためにとひにくな小言を耳にしながら、私は私なりの記帳を続けた。三カ年前本家から分家して主人のわずかな給料を手にした時、どのように使ったら良いか、これで生活が出来るだろうか、不安でたまりませんでした。結局どうにかやりくりして家計を切りまわして行くことも出来ましたけれども、借金返済のあなうめ、年々さいさい上昇していく生活費、教育費、など中学、大学進学に出費は増大するばかりなので、一九六五年十二月、家計簿研究グループ第二段階に真先に加入して勉強をはじめることになりました。はじめて日計、集計、累計、年決算の仕方を習い、正確に記帳されることが出来たので本当にうれしく思いました。グループ定例会は、各家庭のいろいろななやみを打ちあけそれを解きほぐしてくれる場ともなり、良き友を作る場にもなりました。我が家の家計簿は、家族全部のメモ帳である小黒板を台所に置いて、各自の支出額、収入額を簡単に記入しておき、それを夜るねる前に本帳簿に記入します。一昨年の我がグループのエンゲル系数の平均が四三%をしめていましたが、私の場合は二九%でありました。しかし去年は、長女が大学へ進み教育費がかさみましたが副収入をふやすことにしました関係で三三%といくらか下りましたが今年はエンゲル係数も、三〇%までもっていく計画をすすめています。
我が家は朝五時に起き、牛乳配達、新聞配達と子供等はそれこそ一生懸命です家計簿記帳によって、計算も上手になり、収入をふやすことを考えてきました。私達正改グループでは、共同購入を実施していますが年々上昇していく物価上昇対策として大いに活用致しております。品物は主として日用品ですが二割安ですのでその分を貯蓄にまわしています。
子供達はこれから先、進学するので教育費がふえる事だし、予算生活をしていこうと収入をふやすことを考えながら支出計画をたてて頑張って居ります。以前はただ働けばよかった、自分をみがき、自分の生活の状態をみつめる心のなかった以前に比較してみますと、なんだか安心感が先に立ち、大学を卒業したような気持で、日々を楽しく豊かにすごしています。
ヨーグルト一本買う代りに牛乳を一仙オーバーして、保健を考える、ほしいものは予算をたててから買う等、考えればきりがございません。