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1968年5月発行 読谷村だより / 4頁

話のサロン 春雑感

話のサロン 春雑感 
知花 広三
(一)春 斗
 「春や野も山も百合の花盛り・・・・・・・・・・」
 「袖に匂美(ニウイシュらしや」をよそに、世はあげて春斗団交のたけなわでした。
 労使双方の強者たちよ
 「御苦労さんですがガンバって下さい」と申し上げます。
 もう初夏です。温度計の目盛が日を追うて上昇しはじめます。と同様に春斗や団交とは関係なく上昇線をひた走るのは物価です。
 春斗や年末斗争、ボーナス斗争がなくなって、仕事と生活が楽しめる世の中が早く到来する事を念じつつ強者たちの夢の実現を想うなやましい春だと思います。
(二) ヒッピー族
 アメリカの若者たちに多く見られる一九六七年型生態の一つのようです特徴は髪の毛を男女とも肩まで垂らし、女だちは膝上二〇センチのスカート、ブーツをはくもの、はだしのもの、男たちじゃひげをはやしたものなど色様々のいでたちのようです。
 「自然に返れ」というのが主張で、金を使わずに楽しみ、月並の社会生活を意識してさける態度をとっているとのことで人の目につく公園や野外劇場等が根城のようです
 最近このヒッピー族がワーゴンに分乗してワシントンへ行進、デモしたとのことです。
 ベェトナム戦争が長期化して米国徴兵制度がきしくなったための反抗でしよう。今まではカナダににげれば徴兵忘避が出来たのをそれがだめになったためとか。
内はヒッピー族、黒人暴動、ハト派、タカ派、マッカーシーのツル派まで日に何、日く何、
 外はベェトナム、朝鮮、中国、ソビエット、ジョンソン大統領閣下泣きづらにハチの巻です。ここでちよっくら我が佐藤総理大臣閣下、「徴兵制度など夢想い給うな」とつまらない妄想するのも春の季節のいたづらなんでしよう。
(三) 「ギヤグ」「逆」
 「人のやれないことをやれ」とチーターさんはうたいます。
 「人のやれることをやれ」というのも考えてみたいものです。
 歌は世につれ何とかにつれとかいわれていますが
「おれは死んじまっただあ」もアホーづらしてきいてきき流されるが三、四才の子供たちまでが
 「天国ヨイトコダア」と無心にやらかすのをきかされると何かしら、おぞましく変な気持ちになります。
 「二人のためには世界はあるのー」。
 なる程、二人は幸福者祝福してあげるのにやぶさかではありません。
 「世界のために二人はあるのー」。と説教じみたことでも言おうものなら「フン」と鼻であしられるにきまっています。
 「人の気持ちも知らないで」と言ったら
 「あなた、一寸ヘンね可哀想に、何でいっからイカれたの?」と来ます。ああ、もうよしましよう。やっぱり春だ。
       四月旗日

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