新年の御挨拶
読谷村長 池原昌徳
昭和四十五年の輝かしい新春を迎えるにあたり、村民の皆様に、謹んで年頭の挨拶を申しあげます。〃村民の皆様〃明けましておめでとうございます。
まず初めに、旧年中における村行政について申しあげますと、昨年の始めに楚辺通信隊内において凡そ九千坪に及ぶ黙認耕作地の撤去命令を受けて、関係農家に大きな不利益を与えました。年末に至っては、軍雇用者の大量解雇者の中に十五名の村民が解雇予告を受ける。といったこの二つの暗いニュースに接し関係者に大きなショックを与えたことは実に残念でなりません。
ところがその反面、従来村民が最も不安をいだいていた、リトルジョン・フオーク・ナイキ、メイスBという対空ミサイル基地が、次次に閉鎖されたことは誠によろこばしいことだと思います。
産業面におきましては、特に養豚業の振興を図るため、本土から優良母豚を導入して委託貸付を行い多頭化による畜舎、飼育管理の改善、豚価対策のために設けた肉豚の農連出荷など、積極的な試作を推進中でありますが、農家各位の絶大な御協力により、養豚計画は予想以上の実績をあげており、また豚価もよい値段を維持しましたことは誠に結構なことであります。
教育面につきましては凡そ四、五〇〇坪の土地を購入して読谷中学校に「新しい運動場」ができ、又、目下読谷小学校に建設中のすばらしい「体育館」総面積二五〇坪の村役所構内に近く着工予定の「読谷村中央公民館」など、政府の御援助もありまして、村民待望の文化施設が出来ますことは本村の教育振興上誠に好もしい限りだと思います。
さて新しい一九七〇年を迎えるにあたって、われわれは如何なる心構えをもつべきであろうか。戦後の二十四年間叫びつづけてきた県民悲願の祖国復帰、それが一九七二年までに実現するという。その歴史的な世替わりの年、復帰体制づくりの年を迎えたのであります。
長年にわたる沖繩独特の政治、経済機構から、日本の政治経済圏へ移行する。米国管理の軍事基地、軍雇用者、サービス業、基地関連産業等により成り立っている基地経済から脱却して是非とも、平和産業をつくり出さなければならない。きわめて重要な時局を迎えたのであります。
勿論このことは、全県民的問題であり、基本的には日米琉政府の施策によらなければなりませんが、しかし、われわれの市町村も独自の立場から自主的にこれを検討し、復帰後の展望について然るべき方策を立てるべきであり、その使命達成のため渾身の努力を傾注すべきだと考えます。
そういう認識のもとに、本年度は農業の近代化、合理化の問題、養豚の主産づくり、漁港の整備など、第一次産業について積極的に推進すると共に、政府の施策に呼応する企業誘致等、協力な復帰体制づくりを進め、村民の福祉増進に邁進したいと思いますので、村民各位の積極的な御協力をお願いいたします。
おわりに、一九六九年を村民のみなさんと共に、つつがなく送り得たことに、よろこびと感謝を申しあげ皆さんの御健康と、御繁栄を心から祈念申し上げて、新年の御挨拶といたします。
年頭の挨拶
読谷村議会議長 知花平良
復帰に備えて奮起と努力を
一九七〇年の輝かしい新春を迎えるにあたり、本紙を通して、新年のお慶びを申し上げます。
村民の皆様明けましておめでとうございます。
顧みまするに、去る年は国内においては、東大紛争や交通事故死傷者百万人突破、国会解散等、沖繩では少女殺害事件、毒ガス兵器や軍雇用員の首切り問題等全く多事多難の年で、必ずしも、われわれの希望に満ちた目出度い年であったとは言えません。
しかし、人類初の月着陸、アポロ十一号の成功、戦後二十四年、まさに四分の一世紀にわたり、祖国への復帰を願い、その運動を続けてきたわれわれにとっては、七二年に復帰できるその目度がついたことは、まがりなりにも悲願が達成された記念すべき年であったと思いますが、遺憾なことには、佐藤・ニクソン会談の共同声明では、復帰後の基地の態様が如何にも不明確であり、復帰後の沖繩の基地が、極東における国際平和の安全という、大義名分のもとに、長期にわたり固定化される恐れがある。また、共同声明必然の結果として軍雇用員の大量解雇、また基地が解放された場合、復帰後の沖繩の経済がどうなるか等、いろいろな不安と難問題が、われわれの目前に横たわっております。特に本村においては、軍賃貸料が一一五万ドル、軍雇用員の年額収入が役二〇〇万ドル、貸住宅、その他の収入が約八五万ドルで年間約四百万ドルとなり、村民経済の大半が、基地収入に依存してきたが故に、復帰は、特に本村においては、経済的にも大きな転換期に到達すると思慮するものであります。本村が基地経済から脱却し、平和経済へ転換することは、正に世紀の大事業であります。
復帰を目前にひかえて、沖繩は勿論、本村の進路は多難を極めておりますが、この激動する諸情勢に対処するために、なおわれわれは、奮起と努力をなし、復帰に備えて、新年年頭初から全村民が、益々信頼を深め、極めて冷静な判断によって、その活動を大きく、深く永続させていくことによって、すべての難問題を解決し、希望に満ちた輝かしい夜明けを迎えることができると信じるものであります。
いよいよ、われわれ議員の任期も、あますところ九ヶ月に迫りましたが、明るい沖繩の建設、ひいては、明るく住みよい村づくりに、本村議会は、村民の代表機関として、その責務を果すことをお誓い申し上げます。何卒今年も村民各位の倍旧の御指導と御協力をお願い申し上げ、ここに希望の新春を迎えるに当り、村民各位の御清福と御繁栄を心から祈念致しまして、年頭に当り、いささか所感を申し述べ、御挨拶と致します。
謹賀新年
読谷村役所
村長 池原 昌徳
助役 古堅 宗光
収入役 山内 繁雄
総務課長 知花 稔
住民課長 知花 幸英
水道課長 池原 恒徳
税務課長 新垣 喜一
建設課長 仲宗根 憲栄
経済課長 松田 昌彦
外職員一同