復帰体制づくりを推進 六月議会での村長施政方針
(要旨)
読谷村第五回議会定例会は、六月十一日から開かれ一九七一年度の新しい村の行政のすすむべき方針を審議しています。今度の議会を招集するにあたり、池原村長は、一九七一年度の村政をすすめる基本方針を明らかにしました。
その中で池原村長は、一九七一年度は、復帰体制づくりを積極的に推進する、としてつぎのようにのべています。
沖繩が日本からきりはなされて、アメリカの支配下におかれたてめのヒズミはあまりにも大きい。法体系においても、沖繩は複雑な体系であり、七二年に復帰すると日本憲法や、その他の法律が適用されるので制度上も大きく変わる。とくに産業、経済、文化の面においても本土とは、著しい開きがあるし、その格差の是正や、行政水準の引上げのために、積極的に取り組まねばならない。とくに米軍基地と、軍雇用員をかかえて、基地にたよる経済でなりたっている沖繩の現状からして、復帰体制づくりは重要であり、村民の生活が豊かになるような施策が村政を担当する者としての義務だ。復帰すると現在の基地がどのようになるのか、軍雇用員の身分保障がどのようになるか予測することができないが、すでに軍用地の開放や、軍雇用員の解雇なども行なわれている現在、今後は、軍用地の開放、軍雇用員の整理縮少が考えられる。それで私は、開放地の高度利用を計り、潰地の現状回復を獲得するとともに、また工場立地の診断を行ない、工場誘致を積極的にすすめる。そのために、村長の諮問機関として、復帰対策委員会を設置する。また地域開発計画の策定や企業誘致、市町村合併などの重要な事業が予想されますので、企画室を新設して、復帰体制づくりを積極的に推進する。
産業、経済の振興については、今後の本村の経済構造を、いままでの農業、水産業に新たに、商工業を加えて豊かな村にしたい。復帰をむかえて、社会的にも、経済的にも、大きな変化が予想されるので、基地経済からの脱皮が大きな課題である。また工場誘致をするにしても、公害などの問題があり、住民が安心して生活できるようにするため、公害問題について細心の注意をしたい。
農業振興については、現在のサトウキビ、イモ、豚の三本を基本に奨励作目を加えてすすめ、とくにキビの単位収量の大巾な引上げとイモの栽培合理化を推進する。養豚の振興策については共同出荷体制度をとり入れるとともに仔豚の産地化を目標に、本年度も養豚まつりを開催する。また仔豚の売買が、公正に取引ができるようにするため「家畜市場を設置する。」一九七二年の復帰に備えて、農業構造改善事業の一つとしてパイロット養豚団地の計画をすすめるとともに、園芸団地の計画をたてる。水産業の振興のために、都屋漁港を整備計画を推進し、積極的に水産業の振興に努力する以上が村長の施政方針の要旨ですが、詳報については新年度予算案が決まり次第次号で説明いたします。