「海洋博」誘致を決議
一九六〇年代は巨大国による宇宙開会で覇が争われたが、一九七〇年代は海洋開会の時代とされています。今日、話題になっている日本海洋万国博覧会は予備調査として四七五万円が決定され、具体的な取組に入った感が致します。
また第一海洋開発研究会の基本計画によると残波岬を本島会場として、計画がつくられ、残波岬の立地条件を高く評価し積極的な取組みながれさています。海洋博の最終目標を”海の空間利用”海への同化こそが新しい「文明誕生」の神髄であるとされています。海洋博をとおして海洋開発は勿論のことでありますが、残波岬で開催されることによって、読谷村の地域開発は多大なものがあり、また沖縄の経済メリットははかり知れないものがあります。この機会こそ読谷村の大きな発展期だと考え村議会一体となり、要請決議し、積極的に誘致することに致しました。この大事業は村民一丸となり進めねばならない大事なことでありますので村民各位の御意見等を御願い申し上げます。
海洋博誘致決議
沖縄は、長年待ち望んだ祖国復帰が、一九七二年早々に実現するという期待と不安の中で「新しい沖縄県建設」に懸命の努力を続けています。
さて、本土政府におかれましては、海洋開発の新時代を迎えるに当り、八〇〇万円の調査費を計画なされ、沖縄海洋博予備調査委員会を設置されて、沖縄の祖国復帰記念事業として、日本海洋万博を沖縄現地で行うという御計画の朗報に接し、沖縄県民は、このすばらしい御計画に感激を覚ると共に、誠に時宜を得たものとして、たいへんよろこんでおります。
亜熱帯の沖縄、珊瑚礁の島沖縄は、その地理的、自然的条件のうえから、海洋博開催地として最適地であると考えます。また、この博覧会開催によって、遅れた沖縄の社会、文化の発展はもちろん、経済の飛躍的発展を図るためにも、沖縄にとっては正に、世紀の偉業だと思います。
日本海洋万国博覧会基本計画案が二三の企業グループから発表されて、各方面から関心がよせられていますが、その中で特に第一海洋開発研究会が作成する案は、海の空間利用、海への同化、そして「新しい文明の誕生」をテーマに設定してありますが、この計画案に深く感銘し賛同するものであります。
読谷村は、沖縄本島の中央部に位し、第一海洋開発研究会が本島会場として計画する残波岬を有する村であります。
この残波岬は、自然、立地のうえから他に類のない海洋博会場として最適の場所であります。読谷村は、終戦以来、二五年間、総面積の約八〇%が軍用地に接収されて他に比して地域経済開発に大いにおくれをしております。
この二五年有余の長い苦難の道を歩んだ村民は、この世紀の偉業に感激を覚ゆると共に大きい希望をかけていますので、特別の御高配を賜わりまして、第一海洋開発研究会の基本計画案を御採用なさいまして、日本海洋万国博覧会の沖縄開催の実現を図って下さいますよう要請いたします。
右決議する
一九七〇年十二月二五日