読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1971年3月発行 広報よみたん / 4頁

読者のサロン 詩 俳句

読者のサロン

島 太郎
ことづけ
今日面会の持って来たことづけ
誰、彼からと言って
包より一つ一つ取り出したわたしは
その、ことづけの美しさ
背なかで泣いていた、あの面、この面が
瞼をはなれず、涙が先になり
わたしは 何までも その、ことづけを 抱きしめていた。

俳句
キビの秋
食ふよりも作るのが好きで トマト植う
キビの花制繩機音その中に
秋風や、お茶一杯に励まされ
秋野来て帰りたくなきキビの出来
キビの秋草食む馬の肌匂ふ
蒔き残したる大根の種を蒔く
マイマイの幾十のなか芽を間引く
涙だ目に文字も曲れり初便り
甥達の太きかなや冬ぬくし
生きのびて良きこともあり今朝の春

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