読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1971年7月発行 広報よみたん / 3頁

施政方針演説 村長 古堅宗光 

〔150号2ページの続き〕

力検定合格豚の推奨、(三)名誉高等登録豚の推奨、等の新らしい事業を企画いたしました。奨励作目(換金作目)のソサイ施設園芸につきましては助成事業と平行して、営農相談の事業を強化して、一定の品種品質、一定の量、市場に適応する価額、この三つを目標として資材の入荷から、肥土づくり、育苗、定植、肥管理病害虫対策、収穫、出荷までの一連の生産、出荷共販までの協同組織体制と、構成員ひとりひとりが心をひとつにするということが大変重要であるように考えます。
 水産振興については、第一種都屋漁港の整備計画により、第一次浚渫工事を一九七〇年度に手がけましたが、補助事業であるため今年は継続できないことを残念に思いますが、第二次以降の整備計画の実現に努力を払って行きたいと思います。
なお、組織強化の衣がえをして第二年次を迎える漁業協同組合の育成にも意を用いて、水産業の助長を図りたいと思います。
三、民生、保健について
 昨年から徴収を開始しました、国民年金制度は被保険者の深い御理解と協力によりまして、加入率、徴収率とも素晴らしい実績をあげております。今日もその事務を高めて、国民年金の堅実な運営を築きあげていきます。
 老人福祉については老人福祉法の趣旨に沿い、老人をとりまく周囲の人々と社会が、心からおとしよりりをいたわる良俗をさらに高く広めると同時に、おとしよりみずからが、よろこびと希望のくらしと、社会的活動への参加を促進するため、老人クラブの育成を図っていきたいと思います。
 保育所は現在ひとつでは、絶対数が不足であります。このことについては婦人会から強い要請と、また婦人の主張大会でも毎年叫ばれる問題であり、多数の要保育児をかかえて、村民待望の事業でありましたが、今年度、日政援助で一ヶ所計画することにしました。その他身体障害者福祉、精神障害者対策、母子世帯、児童扶養手当、困きゅう世帯対策につきましてはそれぞれの法律の主旨に則り、福祉厚生の地道な事業を進める計画であります。
 読谷村のゴミ処理の現状は、読谷村が都市でなく、まだ純農村でもない過渡的な形態の中にあるため、全村一律、一様の処理方法に多くの問題を抱えている実情でありますが、しかし、保健衛生向上のうえから、また美しい、きれいな町づくりのために、今年度で読谷村のゴミ処理の方向づけをして行く所存であります。し尿終末処理については、読谷村として今後真剣に検討、対策を講じなければならない重要課題であります。今年度はとりあえず海洋投棄の終末処理方法による契約を締結して処理したいと思います。
 この計画によりますと、海岸より沖合、一万メート以上の黒しおにのせるという処理であります。なおこの終末処理については、汚物取扱業者ならびに各家庭の協力と理解がなければ円滑な処理作業は困難でありますので、深い御理解と御協力をお願い申し上げる次第であります。
四、商工業について
 商工業の発展を促進する一助として、既存の村内企業の組織作りが今日的課題であると思いますので、その面への配慮をしたいと思います。企業の誘致方策については、これからつめられて行くであろう読谷村経済開発基本構想のワク組の中で適当とする。つまり、公害の発生しない産業を選択する態度で対処したいと思います。
 地域の経済開発を考える場合、経済成長第一主義が今日の公害、自然はかいを誘発した多くの事例を他山の石としなければなりません。
また、私たちの豊かな生活とは身も心もすこやかであると同時に、物心両面の豊かさが保持されなければならないと考えます。読谷村は、民俗文化の高い、民芸のすばらしい読谷山花織りかつて読谷山を統治した徳望家護佐丸が築城した、特別史跡重要文化財の座喜味城を有しております。
 この種民俗芸能文化、史跡は、読谷村の美しい海と山の自然を同様に、読谷山花織りの民芸織物の価値にさらに、今日的商品としての価値を高める創意工夫の道を開拓したいと思います。また座喜味城跡は、すでに議決を得て村で管理運営する方針が決定されましたので、造園計画を立て整備を行い、村民の憩いの場として、また特別重要文化財としての保持もしつつ、その面の事業についても関係御当局に対して折衝を重ねて行く所存であります。
五 公安について
 経済の高度成長、科学技術の急速の進歩、発達をとげ、多様化する社会の中で火災、交通事故、犯罪等の多発を巷間では、社会のヒズミとして必然とする声もありますが、社会の秩序、安寧を図るためには、これらの問題を地域的課題として取組まなければならないと考えます。消防につきましては、一旦緊急の場合常に備えておかなければなりません。昨年から本土のそれらにならった消防法、建築基準法に基づく、建築物および油脂業者の許認可の事務が、経済発展と建築ブームを反映して増大しましたので消防士および消防吏員の増員を計画いたしました。
 交通安全対策については、村道の舗装改良による高速化に伴って、村においても、その面について検討する時期にきていると思います。また、交通安全、防犯思想の普及高揚については、関係機関および団体と相呼応して地域に即した実践運動を推進する所存であります。
六 水道事業について
 今年の長期干ばつで、中北部一帯に水不足をきたし、誠にしのび難いことがありましたが、ようやく降雨量も増して、やっと安心した次第です。読谷村は水道公社から分水する系統上水道で、自己水源を保有しない弱点もありますが、生活に欠くことのできない水道運営に当っては、最大の注意と努力をはらって行く所存であります。
 なお今年度は瀬那波村道の改良舗装工事が施工されますので、それと平行して水道の改良工事を計画いたしました。水道事業の運営に当りましては、豊富、良質低廉をモットーに適切な水道行政とサービス向上に努力を傾注して行きます。
七 職員の増員、待遇、研修について
 職員の増員については、本土復帰を目前にひかえてたくさんの事務がありますが、人件費の義務費の増高が事業費の削減、縮小を

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