ふるさとの民芸 読谷花織(1)
わたくしたちの村には、多くの民族芸能や民芸品、名所旧跡があります。
そこで、今号から、ふるさとの民芸めぐりを企画することにしました。
第一回目の今号は、読谷花織について御紹介することにします。
ぬち美らさ、てさじ 昔糸えんの 情充りらぬ 夜なびてさじ
これは、読谷村花織の再興を記念して、知花広三さんが詠んだ琉歌の一節です。読谷花織のはじまりについては、はっきり知りませんが、言い伝えによりますと今から、五〇〇年前に護佐丸が座喜味城に君臨したころ、南方貿易で栄えた長浜部落にビルマ、インド方面から伝来したと言われ現に民族芸能として、ヘーヌシマ踊りが長浜に伝っていますし、南方諸国の船が停泊したと言われる唐ジングムイというのがあります。
花織は当時の乙女たちが頭や、肩にかける装飾品であった。また、恋文をかく事が出来ないので、この手布を男性にあげることによって、プロポーズを受けるという証しでもあったわけです。
ですから、恋する乙女たちは、恋しい彼氏のため、夜の目も寝ずに、情熱を一つの糸に秘めて織りつづけたわけです。花織には、手布(てさじ)、衣裳、ミンサー(帯)の三種類がありその織方は、縦糸に横糸、それに手細工を加えて、さらに数個のソウユウをかけいくつかの色糸をつかって複雑な手法を使って織るもので、生地は木綿糸、色糸は毛糸染料は福木、藍、カラチ、ムムグワー木を使っています。
花織は、読谷村にある民芸の香り高い織物ですが、今次大戦で絶えていましたが伝統的なすぐれた民芸品を再興すべきとして、一九六四年村の事業として講習会を開き現在に至っています。また花織愛好会というグループも作られて、祖先から受継れた花織を守り育てるのに一生懸命です。
※写真「花織講習」は原本参照