全国市町村教育委員会教育長研修大会に参加して 宮城伝三郎
私は去る七月六日、七日両日にわたって鳥取市で開催されました、全国市町村教育長研修会に、中頭地区の教育長六名と共に参加しましたのでその研修会のあらましを報告いたします。
研修会は全国を三ブロックに分けて行なわれ、鳥取市では中国、四国、九州の十七県から五六〇名の教育長が参加して行われました。
沖縄からは復帰後はじめての参加ですので、とくに挨拶をしてくれとの要望がありましたので私が代表として挨拶いたしました。
挨拶の趣旨の一つは、復帰とその地に対するお礼を申し上げ次に二つの要望を申し上げました。その一つは、沖縄の小中学校の校舎施設は文部省基準の七〇パーセントにも足りない現状でありますので一日でも早く本土の子供達と同様な教育環境の中で沖縄の子供達が勉強できるように配慮してもらいたいことと、次に幼稚園教員の給与については、復帰前沖縄において、幼稚園給与の半額は琉球政府の方から補助があって、そのために沖縄においては九〇パーセント以上の就園率になっています。
復帰後は本土法律の適用に伴い幼稚園教員に対する補助金は廃止されている。
そういう中で沖縄の幼稚園教員に対し、復帰の特別措置として琉球政府が補助していたように給与の半額を補助していただきたいと要望し、又、文部省では、本年度から幼稚園教育課を新設して幼稚園教育の普及と振興を意図しているので保護措置を強く要望し挨拶の中に織りこんできました。
研修の内容
一、文部省の意図している教育の重点政策とそれに対する本年度の予算について各局の課長からの説明。
二、事前に各県から提出された質問事項に対する文部省各関係局よりの解答。
三、文部大臣の諮問機関である教員養成審議会や中央教育審議会の答申や建設について。
四、自民党の文教制度調査会教員養成小委員会の教員養成と待遇改善に関する議案について。
以上の件についての研修がなされた。その中で議案第三と第四について説明いたしますと。
三段階に格付けされる教員免状
(1)教員の免許状を現行の一級、二級普通免許状を、初級、中級、上級の三段階にすること。
(2)、小学校の教員は四年制の大学卒にすること、中学校と高等学校の教員は大学卒業後更に特別の大学院を設けて養成すること。
(3)、実習期間を現行の小学校四週間から八週間に、中学校は現行の二週間から六週間にすること。
(4)、待遇の大幅改善をすること。
(5)、初任給を引き上げること。
(6)、管理職の給与は裁判所の判事並に引き上げること。
などを協議した。
教員養成大学を設立か
議案の四番目に協議された文教制度調査会教員養成小委員会の教員養成と待遇改善については、
(1)、現在教員の再教育のために教員の再教育大学院をすること。
(2)、教員養成大学を設立すること。
(3)、教員給与に対し所得税、住民税を免税とし現行の教員給与を二倍程度に引き上げること。 (4)、校長の最高給を一般行政職の最高給に致達できるようにすること。
以上のべたように、教員の待遇を大幅に優遇改善したい意図は教職を魅力ある職業にし教育界に人材を集めて教育の振興改善を図るためである。