読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1972年9月発行 広報よみたん / 4頁

敬老の日を迎えるにあたって 教育長 宮城伝三郎

〔162号3ページの続き〕

設の充実した老人ホームや老人病院等を造ったり、其の他の対策がたてられつつあります。
 尚、いろいろと老人の福祉問題が社会問題として大きくとりあげられ、各方面でその対策が論議されておりますので、おいおい社会の陽のあたらないところまで施設、設備が整備されてくることだと思います。
 おとしよりの方々がこれまで長い間、社会の為にお尽くしいただいた御苦労を思うと、それは当然すぎる程当然なことで、むしろ遅過ぎると言う感が致します。
 子どもが国の宝であると同様におとしよりも又、国の宝であります。随って青少年問題に対しても又、深い関心がよせられなければならないと思うのであります。
 近代社会に於いて国が栄えたと言うことは、おとしよりの方々が安心して余生を送ることを、意味するものでなければ真の繁栄とは言えないと思います。
 各家庭は電化されて、大変便利になりました。冷蔵庫も、電気洗濯機もテレビもそなえつけられ、自家用車も無い家庭の方が少ないのではないかと思われます。こんな家庭に於いて物の面で大変便利になり、又、休日のレジャーを楽しむようになりましたが、果しておとしよりの方々にほんとうに安心感を与える精神的面ではどうでありましょうか。おとしよりの方はやっぱり、親子は一緒にとか、あるいは子どもや孫の近いところでくらしたいと言うのが、おおかたの御希望ではないかと思います。
 核家族化しつつある現代の家庭人として多いに反省すべきではないかと思い、敬老の日を迎えるに当り、村をあげて、おとしよりの労をねぎらいし、心から感謝の念をこめておとしよりの御健康とおしあわせを祈念致します。

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