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1974年9月発行 広報よみたん / 2頁

山内村政がスタート 期待される今後の活躍  住民本位の村政を築く 就任のあいさつ 村長 山内徳信

山内村政がスタート 期待される今後の活躍
住民本位の村政を築く
就任のあいさつ 村長 山内徳信
 村民の皆様へ心からご挨拶を申し上げます。
 今回の読谷村の村長選挙に当りましては、不肖私、読谷村の村長に当選することができましたことは、これひとえに村民各位の深い御理解と御支持御協力の賜であり、身に余る光栄と存じ、心から感謝し、厚くお礼申し上げます。
 御承知の通り、私はこれまで、十有余年、学校現場で教育の発展と人間教育の為に微力ではありましたが誠心誠意努力してまいりましたが、七月二十三日を以って、読谷村の第十七代目の村長として就任し、村政への第一歩をふみ出すことになりました。政治の道や村政につきましては、全くの素人であります。未知の世界へ向って、一年生になった気持で、謙虚に村民各位の御指導を仰ぎ、本村発展の為に粉骨砕身努力していきたいと思いますので、村民各位の積極的な御協力御指導御鞭撻を切にお願い申し上げる次第であります。
 さて、今後の村政を進めるに当っての基本姿勢を申し上げ、皆様方の御理解をいただきたいと思います。
 基本姿勢(網領)として
①、憲法を守り、いっさいの戦争政策に反対し、反戦平和を確立する。
②、政治の中央集権化に反対し、真の地方自地の確立と村民福祉を最優先する。
③、基地経済から脱却し、公害のない平和経済の開発をすすめる。
④、教育、文化、スポーツの民主的な発展をはかる
⑤、社会福祉施設を充実させ、村民のくらしと健康を守る。
⑥、村民の生活と権利を守る。
⑦、農業、水産業を振興して、農漁民の生活を豊かにする。
⑧、中小零細企業を守り、伝統的な地場産業の振興をはかる。
 以上の八つをうけて、基本方針、重点政策をかかげてありますが、全体を貫いている精神は、憲法の理念を村政に生かし、基本的人権を尊重し、平和を守り、民主主義を発展させ、村民主体の自治の確立を目指し文化的で豊かな生活を保障する村政の実現に努力することであります。
 現在の日本の政治状況の中で、ここにかかげてあります政策を実現することは大変厳しく、また、時間のかかるものであり一朝一夕に実現できるものではありません。
 これは正に人間として、あるいは地方自治体としての真の地方自治を確立する歴史的な行為であり、読谷に於ける地域民主主義を創造していく営みであります。
 そのような認識の基に村民の身近かな問題を一つ一つ積極的に解決していく、その努力こそが地方政治の根本的姿勢であり、重要なことだと思います。
 村民の声を大切にし、村民と一体になって事にあたった時に、そこに生き生きとした村民の姿、清新な息吹が現われ、そこから明るい村作り、民主的な村作りがはじまると思います。このような姿勢を村政運営の基本にしていきたいと思います。
 現在、読谷村のかかえている諸問題は、どれ一つとってみても複雑で難しい問題であり、戦後処理の重要な時期に直面している感じが致します。
 読谷村が、これから直面するであろう難問題の解決には、お互いの意思の疎通を図り、衆知を集めて事に当ることが必要であろうかと思います。
 長々と申し上げましたが新しく村政にたずさわる者として、村民各位の善意と友情に期待し、今後の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げまして就任のあいさつとと致します。

〔写真〕「当選辞令を受ける山内徳信村長」原本参照

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