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学校教育においてはひとりひとりを大切にし、郷土の息吹きに積極的に接する教育を基本とし、教育諸条件を整備する。
(2)生活の基礎づくり
住民の生命と健康を守るためには疾病の早期発見、早期治療が必要である。医療施設の設置や医療機関との協力体制をつくり、住民の健康の維持増進に努めていく。
一方、生活の相互扶助、心身障害者への療養やリハビリテーション、老人、母子、児童福祉の充実をはかり、弱い立場の人々が社会の一員として生きがいをもって生活ができる体制を整えていく。
生活の基礎づくりは、このような地域保健医療と地域福祉の充実をはかり、共に生きていく体制づくりである。
(3)活動拠点づくり
村民の活動拠点である部落公民館を中心に、更に村民同志、老若男女が集える憩いの場として「村民総合センター」の創出をはかっていく。
(4)城づくり
本村に継承されてきた数々の文化遺産を過去の単なる遺物とすることなく現在の生活の中に活かし、むらの未来を切りひらく活力源として位置づけていく。
文化活動は巾広く、文化遺産の調査、研究活動、趣味を目的とした各種サークル活動そして各部落に受け継がれている文化行事や民俗芸能などがある。
今後は、これらの活動団体を育成していくとともに各部落を中心としたまつりを継承発展させ、さらにこれらのまつりを広く村民に知らしめ、村民が参画しうる場を形成する。
村民の努力と情熱で守られ育てられた歴史、文化をさらに豊かにするために座喜味城跡を中心とした読谷文化の殿堂を整備し、歴史、文化、自然を堪能する空間を創出する。
城づくりは、昔と今を未来に活かすむらづくりである。
二、豊かな自然を活かしたむら
おおらかでのびのびとした自然は読谷村の特徴であり、村民の暮しを包みこんでいる「クサテ」でもある。豊かな自然を活かしたむらとは、自然を保全しながら地域資源としての潜在価値を自然の生態系の中で掘りおこすことである。
(1)カルスト台地(石灰岩台地)
カルスト台地は代々にわたって読谷村の歴史が刻まれ、文化が育まれてきた主舞台であり、これからも本村の歴史、文化が形成されていく場となる。
カルスト台地は生活の場と生産活動の場とに大別される。生活の場としてのカルスト台地では、軍用地への接収により集落間の同居を余儀なくされ、高密度現象を呈しているところがある。今後は計画的な集落整備を実施し、生活の中に緑を回復していく。
一方、生産活動の場としてのカルスト台地では、優良農地を確保して農業基盤整備を実施し、工場適地を選定して工業と生活環境との調和をはかり、地区商業と近隣商業域の整備をすすめる。
(2)海
地域財産であり地域資源である海は、基本的には誰でも出入りできるものであり、漁業を主とした産業を振興するとともにレクリエーション活動の場として位置づけていく。
漁業環境の整備として、養殖場適地などを選定し立入制限をはかるとともに都屋漁港周辺を港としての雰囲気づくりを行っていく。
レクリエーション活動の場としては、石炭岩岩礁海岸と砂浜の整備をはかり、村民や県民そして国民がくつろげる場所としての整備をすすめる。また防風、防潮林の植樹を実施し、自然散策路の設置をはかっていく。
(3)山
木村の山は国頭的要素と島尻的要素をあわせもち、地域財産と地域資源としての価値をもっている。
地域財産としての価値は大気浄化・気象緩和・騒音防止・水資源涵養・土壌形成維持・動物生息空間形成防災などの機能である。
地域資源としての価値には産業型活用と自然レクリエーション型活用がある。前者には農地や、経,済林などがあり、後者には植物園・ハイキングコースなどがある。しかし、いずれの活用においても人為的撹乱の少ない自然の営みに則した活用を基本とする。
(4)川
川は山地丘陵とカルスト台域での諸活動の結果を海に伝える働きをもち、陸域でのさまざまな開発行為や生活雑排水により汚染される。
川は自然環境の一要素であり人々がくつろぎ楽しめる場所となるので今後は陸域での行為の規制や生活雑排水の処理施設を設置し川の浄化をはかっていく。
三、静かなうちにも底力のあるむら
読谷村は農村と都市との接点にあり比較的静かな居住環境を備え、軍用地料や軍雇用による所得が村民生活を規定しつづけた。
これからは読谷村を造っていく底力を養い、新規に産業の振興にとり組んでいかなければならない。
(1)農業振興
沖縄の亜熱帯気候と読谷村のカルスト台地という自然条件の中でその土壌と適作目によって展開される農業を基本とし、自然の力を最大限に活用した自然農法の追求という亜熱帯カルスト台地農業を振興していくまた、作目の多様化、輪作間作、そして耕畜結合をはかる多様は営農方式を創出し、自給生産農家から次第に農業従事度の高い自立経営農家へと様々な農家経営を展開し集落内や集落間そして地域において複合農業を成立させる集落・地域複合農業を振興していく。
亜熱帯カルスト台地農業集落・地域複合農業の二つの方向を基本としてさらに畜産団地や野菜団地、その他農業関連施設を整備し、農家生活の安定化と後継者の育成そして研究・指導体制づくりをすすめる。
(2)漁業振興
豊かな海岸線を有した本村においては、漁法の改善と漁場の効率利用をすすめて沿岸漁業を充実させるととともに、人型漁船による沖合漁業の拡充をはかる。
また、干潟を活用した養殖場の設置をすすめ、漁業の開発と研究・指導体制づくりを行う。
(3)商業振興
字の共同売店から雑貸店スーパーへと発展拡大してきた地区商業をこれからも商業の基礎的単位として充実させ、地区商業の複合拡大である近隣商業の育成をはかっていく。
村内でとれる農水産物などの地元産品の地元供給機構を開発し、地元産品を商業開発に活かし読谷村独特な顔づくりを行っていく。また、この地元産品を広く県内外へ紹介するための拠点づくりを行う。
(4)工業開発
工業開発は誰の為の何の為の開発かということを常に省みながらすすめていく。
農林水産関連の素材を生かした特産品生産と既存工業の集団化、協業化による工業基盤を整えた自力開発を促す。この自力開発を基礎としてその開発能力や資本蓄積からさらに多様な開発と工業の基盤を整備して体力づくりをおこなう。
自力開発と体力づくりで整備された工業基盤を礎石にして地場産業を成立させこの地場産業と関連した工業の立地と他の分野の工業の新規立地を生みだしていく。
(5)山林活用
山林の活用には地場産業と結びついた染色植物原料の生産、焼物の薪材生産、木工品工業としての原木生産および農業生産部門としての花卉・桑・茶・果樹生産などがあるが、いづれも水資源涵養という山の機能を侵さない自然型集約栽培を基本とする。