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1978年3月発行 広報よみたん / 4頁

早出しスイカの立体栽培みごとに成功!総量18トンを生産予想

早出しスイカの立体栽培みごとに成功!総量18トンを生産予想
 もうかる農業経営をめざし、本土の端境期をねらった早出しスイカの栽培が渡慶次ビニールハウス団地内をはじめ、高志保ハウス団地、渡具知などのビニールハウスにおいて栽培され、その初出荷が二月六日からはじまった。この日出荷された早出しスイカは国吉真助さん等二名のビニールハウスから一、六七四㎏のスイカが収穫された。
 これらのスイカは、南国の太陽熱をいっぱいに浴び、糖度、風味、色つやとも最高のできばえ。一個二~三㎏の成熟しきった中玉で市場性の高い一級品が多く、そのほとんどが本土市場向けに出荷された。気になるセリ値の方だが、木上市場では高値のセリ値を呼び、一般庶民にとってはまだ高嶺の花というところです。
 ビニールハウス内におけるスイカの栽培は数年前から行われ、今年は国吉さんら八名の農家がそれぞれのハウスに立体栽培を行った。栽培指導には村農協、県農業改良普及員、それに与那城村農協田場典明指導員が栽培指導に立ち合った。
 聞きなれない立体栽培とは、農業の経営効果を高めるために、小面預をかつ効果的に利用しようとするものです。スイカ栽培は通常地ばい栽培が慣例とされるが、立体栽培においては、ツルを地上にはわさず天井につるして栽培する。その中で密植栽培し、経営効果を高めようとするものです。
 国吉さん等のスイカハウスには一坪当り丘本の密植を行い、一本当り一個を着果させ、一坪当り一万円の収益を目標に徹底した肥培管理がなされてきた。同時にハウス内はスイカ生育適温にいつも人工的に温度調整され、真冬でも二七℃度を保っている。その中で生育したスイカは色つや、風味、糖度とも三拍子そろった最高のできばえで、見るからにおいしそう。
 去年は天候不順により不作に終わったが、今年は例年になく豊作だという。みごとに成熟したスイカの収穫予想高は全体で総量十八トン。スイカハウスの中は、夏の味覚ならぬ冬の珍味が甘い香りをハウスいっぱいにただよわせている。
 ところで、本村の土壌はスイカ栽培に最も適した土壌だといわれ、読谷スイカの人気は抜群。すでに「読谷スイカ」の銘柄で消費市場から高く評価されている。これから梅雨期をはさんで読谷スイカが出廻るころ、我が沖縄も夏到来を告げる、その中で、冷たいスイカに舌つづみを打つ夏本番をここに見ることができます。

※写真は原本参照

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