読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1978年9月発行 広報よみたん / 10頁

惜しくも準優勝第六回西日本ソフトボール大会 読中ソフトボールクラブ 摩の六回無情の雨たたる

惜しくも準優勝第六回西日本ソフトボール大会 読中ソフトボールクラブ 摩の六回無情の雨たたる
 第六回西日本中学生女子ソフトボール大会に県代表として出場し、惜しくも準優勝を飾った読谷中学女子ソフトボール選手団一行十五名が八月二十六日午後三時着の日航機で旅の疲れも見せず、元気よく帰郷した。
 那覇空港には、県ソフトボール協会、学校教職員、父母等多数が出迎え「準優勝おめでとう」「ごくろうさんでした」と一行を拍手で出迎え、労をねぎらった。
 選手団一行は、優勝を逸した悔しさはもう見られず、まっ黒に日焼けした元気な姿でロビーに姿を見せ、華やいだふん囲気で歓迎式に望まれた。
 第六回西日本中学ソフトボール大会は、八月二〇日~二十二日までの三日間、大阪府千里山総合グラウンドを中心に、静岡県以南の県代表が参加して開かれた。女子の部には、読中はじめ三十二チームが参加し、晴れの大優勝旗をめざし熱戦が展開された。
 大会三日目、優勝候補の一角にあげられていた読中は順当な勝をおさめ、決勝戦では、大阪代表の宿敵、八尾大正中と顔をあわせ激突した。
 試合は五回まで八尾大正中をパーフェクトに押え、しかも大量リードという中で誰もが初優勝を信じて疑わなかった。だが読中にとって魔の六回「筋がきなき非情なドラマ」が展開された。回も二イニングを残すのみ、雨で二〇分間中断され再開された六回一死後、八尾大正中はお家芸の奇襲戦法(バンド攻撃)に転じ、それがことごとく成功。一挙に五対五の同点にされてしまった。
 動揺する読中は、以後打っては相手野手の真正面に飛び、守っては浮き足立でエラーを誘いまったくいいところなし。しかも、六回から降りだした雨は読中にとって無情の雨となってしまった。しかし、読中もくじけることなく延長戦に入ってねばり強い戦いを挑んだが、向きを変えた幸運の女神の微笑みを呼び戻すことができず、延長八回六対五で無念の涙を飲んでしまった。このことは、くしくも夏の甲子園高校野球の豊見城高戦に酷似していて同伴の父母、関係者を残念がらせていた。
 二年連続優勝を果たした八尾大正中は前回大会においても古堅中と激突したチームであり、読中もその雪辱を果さんと戦いを挑んだものだが、またもや土俵ぎわであと一押しというところでうっちゃられてしまった。
 ナイン一同もそのショックは大きく、しばしむせび泣く姿もも見られ、同伴の父母も我が子の残念がる姿に目頭を押さえる姿も見受けられた。
 だが、さすがスポーツマン。今日の敗戦を明日への反省にと気を取り直し、お互いに健闘を称えあう姿はまさにさわやかそのもので「また来年対戦しましよう」としっかり握手を交す子供たちの姿に場内からは両チームの健闘を称える拍手はどこまでもこだましていた。

※写真「準優勝した読中女子ソフトボール選手団」は原本参照

利用者アンケート サイト継続のために、利用者のご意見を募集しています。