孫たちに囲まれ猛ハッスル 童心に返り老人運動会
さわやかな秋晴れの心地よい天気に恵まれた十一月五日、村老人クラブ(知花平次郎会長)主催による第六同村老人運動会が読谷小学校グラウンドで開かれ三千人の観衆でにぎわった。
この日の老人運動会には、オラがじいさん、ばあさんたちが出場するとあって村外からもそれぞれの子や孫達が押し寄せ、さかんに声援を送っていた。
まず、午前九時三〇分高らかなファンファーレがかなでる中を「あっちみそうれ、あっちゃびらな」の行進曲にのって七○○名余の老人達が堂々とした勇姿でもって入場行進がくり広げられた。中には、日項の曲りきった腰も苦にすることなく、腰をヒョイ!と大きく伸ばし足音軽やかに行進をくり広げる老人たちの姿は実にさわやかだった。
開会式のあと競技に移り、まずボール送り競争を皮切りに十種目。風せん割り競争やラケット競争などに、各老人クラブの代表は童心に返って心ゆくまでゲームを楽しんでいた。その姿は、明治、大正、昭和の三代にわたるタテジワなど消え失せ、童心に返り大きく笑いこげる中にも真剣そのものだった。
中でも、縄ぬい競争は去年から取り入れられた種目。昔は夜なべをしてせっせとぬいあげていた縄ぬいも時代変って、この三〇年代なわをぬったためしがない。昔の記憶をたどってねじりハチマキをキリリとしめ「ヨーイドン!」。気はあせれど一向に進まない縄の長さに老人達は一様にヤキモキ。中には「アキチャビ!ウネヒャ」と威勢よろしくせっせと規定の長さをぬいあげてリレーをくり返し、昔を回顧しながらの縄ぬい競争は人気を呼ぶ種目となっていた。
この日の大会には山内村長、新垣村議会議長など多数の来賓も出席、華々しい応援合戦の中で老人パワーの大行進をあたたかく声援していた。
また、この日はにわか写真屋さんが多数店開きし、おらがじいさん、ばあさんの晴れ姿を記念写真にと、シャッターを切る音で場内に大きくこだましていた。
※写真は原本参照