新春を迎えて 読谷村長 山内徳信
村民の皆様!
明けましておめでとうございます。謹んで新年の御挨拶を申し上げます。
光陰矢のごとし、と昔から云われる通り、あっという間に一年が過ぎ、新しい年を迎えることになりました。
村民の皆様には、解しい新春を迎えられ、新たな希望と決意に燃えておられることと思います。
「一年の計は元旦にあり」で、何かと厳しい世相ではありますが、それにもめげず、村民一人びとりが、希望を抱いて頑張りぬかれることをお願い申し上げる次第であります。
村民の皆様!
今年は”ふるさと”読谷のもつ風土、伝統を考える年にしましよう。
読谷村の目指す村づくりは、御承知の通り「人間性豊かな環境・文化村」であります。これは人間の存在と文化を大切にしようという広くかっ深い意味をもつ目標であります。
村民の生活の知恵と力が、小さな個人の利己主義をはなれ、「己の住むふるさと=読谷」、子や孫達が、これからも住んでいくふるさとを、皆で考え、愛し、大切にし、これが「私のふるさと読谷です」、と自信をもって云える地域づくり、村づくりをしようではありませんか。
世の中のことすべてそうでありますが、物事を造るには人間の協力と時間が必要であります。
ふるさとのよさを知ることは、ふるさとを愛することの始まりであり、愛することは、ふるさとづくりの原動力となるものであります。
現代社会は、複雑多様化した時代で、物事の価値判断に苦しむ時代ではありますが、いつの時代にも”変わるもの”と”変わらないもの”の二面があります。歴史の底を流れる変わらないもの、真実なるもの、善なるものを求めて、今年も村民が大いに活躍されることを希望申し上げるものであります。
村民の皆様!
村民の幸せのため、更に前進しよう。
新年を迎えるに当り、過ぎにし年をかえりみて、それを基に新年度は更に前進しようではありませんか。
昨年の村政の歩みの中で、いくつかの具体例を通して申しますと、何と云っても、村民の長年の願いでありました医療施設としての読谷村診療所が開所され、蕪木先生をお迎えし、無医村から脱皮できたことは村民の大きな喜びでありました。
社会体育、社会教育の盛んな本村の今一つの喜びは、これ又、村民の長年の夢でありました運動広場が、読谷飛行場内に米軍との共同使用という形ではありますが実現できたことであり、今後の青年や青少年のスポーツや社会体育の振興に大きく貢献できるものと思います。
村民の夏場の水の悩みを全面的に解消すべく、四千トンの配水池(タンク)を座喜味城の北側に建設進行中であります。教育環境の整備、返還軍用地の跡地利用としてのボーロポイントの土地改良事業に向けての準備作業、渡具知地域の集落の復旧事業の推進、長浜ダム建設への準備作業、読谷飛行場問題への具体的な取り組み等、村民の生命、財産、生活等に関する諸問題を進めて参りましたが、今後とも村民が一体になって事にあたらなければならない重要な問題が山積しております。
「第四回読谷まつり」は、いやが上にも盛り上り、正に読谷村の将来への発展の姿を髣髴させるものであった。沖婦連の三十周年記念大会に於ける村婦人会の演劇「赤犬子」は専門家をしのぐ熱演は県下に読谷村婦人会の実を尚める結果になりました。
若い男女青年による混声合唱団「海」の発表会も素晴しく、読谷で質の高い混声合唱の聴ける幸せを感じた次第であります。
村民がそれぞれの立場から地道に、しかも主体的に創造的に人間存在の価値を高めようとする御努力に敬意を表し、感謝を申し上げるものであります。
おわりに、新年を迎えられた村民各位の御健康と御多幸を祈念し、新春の御挨拶と致します。
※写真は原本参照