新年の挨拶 読谷村教育長 新崎盛繁
明けましておめでとうございます。輝やかしい昭和五四年の新春を迎え、村民のみなさんのご健勝を心からお祝い申し上げます。
昨年中は、村教育行政を進める上で並ならぬご協力を賜わりまして、誠にありがとうございました。心から厚くお礼申し上げます。お陰で、学校教育、社会教育等、村づくりの一環として実践推進することが出来ました。まず、村政の重要施策であります教育諸条件の整備事業が順調に進んでおります。四小学校、二中学校、一幼稚園の七ケ所で現在校舎建築がなされております。ここ一~二年で不足教室並に粗悪な危険校舎も解決し、各校舎近代的な建物が見られる事と思います。
又、学校現場では、教育課程の改訂に伴う態勢づくりと、人間性豊かな、ゆとりある充実した学校生活が出来る児童生徒を求めて、一生懸命取り組んでおります。
一方、社会教育の面では、中央公民館、各区公民館を拠点にして、村民各層の積極的な参加によって、実り多い積み上げが出来ました。それには青年会、婦人会の意欲的な活動への取り組みと会員の強い切差琢磨する姿が大きな力となりました。そして二年間にわたって、社会教育振興大会の主テーマとして青少年の健全育成が浮き彫りにされ、各層の活動をとおして方向づけられつつあります事は、次の時代(二十一世紀)に託するすばらしい運動といえると考えます。
次に座喜味城跡の追加国指定用地も関係地主のご理解とご協力により、予定通りの事業を終了することができました。年と共に城壁の修復が進むにつれ、くっきりとその偉容をそびえさせております。村立歴史民俗資料館も今日学術的にも重要な存在として名声高く、訪れる人も村内は勿論県内外から…日に月に増加の一途を辿っております。恒例の特別展につきましては規模内容的に高度で、中央で催される展示と全く変らない程、素晴らしいものがあります。それに先に村内古老の方々から採取されました民話の整理も着々と進められております。又、新装なった運動広場や学校開放事業等による体力づくりも盛んであります。このように顧みますと、まさに文化創造の胎動を覚えずにはおられません。
一面、社会状勢は円高ドル安と押し寄せる波をまともにかぶって不況、就職難が続き将来に試練の場でありました。迎える昭和五十四年も、それ程期待されないかもわかりませんが、私共、何時如何なる時代になっても毅然として受け、立ち向うことのできる人間性を培っておくことが第一ではなかろうかと思います。その為には、人間性豊かな環境・文化村を目指し樹てられました基本構想実現のために全村民がそれぞれの立場で態勢を整え力強い踏み出しが要求されるわけであります。
村民の皆さまの旧に倍するご愛顧をいただき住みよい、明るい村づくりに共に最善を尽くして参りたいと思います。迎えました「羊」の歳が村民の皆さまにとって、最良の年でありますよう祈念申し上げて新年のあいさっといたします。
※写真は原本参照