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1979年2月発行 広報よみたん / 12頁

深夜の大行軍50キロ走破村消防耐久訓練

深夜の大行軍50㎞走破 村消防隊員耐久訓練
 村消防隊員による五〇㎞走破耐久訓練が去る一月十一日午前○時三〇分本部町伊豆味を起点にスタート延々十五時間にわたって耐久訓練大行軍が行われた。
 これは、消防隊員のパートナーシップの肝要と使命感の高揚をねらい、耐久訓練によって膚で見定める不焼不屈な精神力の養成を目的として行われたもので、県下では初めての耐久訓練だという。
 今回の訓練には、玉城国二司令補を中心に最年長は比嘉進行隊員(三三)、最年少は渡具知肇隊員(二二)まで総勢十九名参加した。各隊員はオレンジ色のレインジャー服に身を固め、青ヘルに一kg程もある重い皮靴という完全武装のスタイルで行軍。途中小休止をはさんで時速四㎞という道のりで歩き通してきた。
 出発時明が午前○時三〇分とあって、あたりは真暗闇。冬の夜長で虫の声一つと聞こえない寂しい山あいをぬって孤軍大奮闘。時折り襲いかかる睡魔を振り払いながら、一路読谷めざして南下した。やがて、東の空がしらじらと明け、くっきりと朝日がかがやくころ、頭上を飛びかう野鳥の歓迎のさえずりを耳にしながら余裕シヤクシヤクとした勇姿でもって元気に歩き通してきた。
 だが、人間体力への挑戦とあって四〇㎞地点から隊列が乱れはじめたが、さすが消防隊員。日々の厳しい訓練で鍛えあげた強者とあって、どこからとなく飛びかう号令のもとに整然と隊列を整え、パートナーシップを発揮しながらの大行軍が続けられていた。
 午後四時三〇分、一行は元気な姿で役場前に到着。全職員が拍手であたたかく出迎え「おつかれさんでした」との声にニコッと応えるあたり、さすが消防隊員筋がちがうぞ。と他職員を感心させていた。
 苛酷な耐久訓練とあって、それぞれの隊員の足の裏は目を覆う程の痛々しい姿、大きな靴ずれが痛々しく残り、いかに苛酷な行進であったかが目に焼きついて離れなかった。今度の耐久訓練は一人の落後者もなく全員走破の偉業をみせた中で新里昭敏・大城薫隊員は「体力限界の挑戦に勝ってうれしい。私たちは昨年消防隊員を拝命した者で無我無中で歩き通した。その中で、ファイヤーマンとしての使命感を膚で感じ取ることができた。一番苦しかった時は四五キロ地点を通過するころ。先輩隊員の激励をもって走破することができた」。と元気に話していた。
(写真)-体力限界への挑戦、耐久五〇キロ走破に成功した村消防隊員

※写真は原本参照

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