読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1979年6月発行 広報よみたん / 5頁

現状肯定型の日本の青少年=53年版青少年白書から=

 総理府がまとめた五十三年版「青少年白書」によると、「日本の青少年は、おおむね家庭生活に満足しており、両親と意見対立のある者が少なく、また年老いた親と同居しながら面倒をみたいとしている」など、一般的に家庭生活がうまくいっていることを指摘しています。
 今回の白書は、昭和五十二年に実施した”第二回世界青年意識調査”など国際比較の調査や統計を基に諸外国の青少年と比較しながら、日本の青少年の意識や実態を浮かびあがらせています。
 諸外国との比較で、興味ある点をいくつか紹介してみましょう。

家庭 七割が年老いた親との同居を肯定
 各国の青年とも八○%以上が家庭生活に満足していますが、欧米諸国と違うのは、年老いた親との同居についてです。日本の青年は、七〇%以上が「同居する方がよい」としているのに対し、アメリカ、西ドイツの青年の七〇~八○%は、逆に「同居しない方がよい」と答えています。お国柄の違いでしょうか。

仕事 能力主義より年功序列を望む
 欧米では男女とも「能力主義」を望む者が、約七〇%を占め、「年功序列」は一〇%台にすぎません。これに比べて日本の青年は「能力主義」(三二%)よりも「年功序列」を望む者(四六%)が多く、とくに女子は過半数にのぼっています。また、自分の職場に満足している者は日本の場合六〇%で、欧米の七五%に比べると、やや低くなっています。
 そのほか「仕事と仕事以外の生活のどちらに生きがいを感じるか」については、日本の青年が「仕事以外の生活」五割、「仕事」三割となっています(二割は無回答)。
 これに比べて欧米諸国の場合、七割の青年が「仕事以外の生活」に生きがいを感じており、「仕事に生きがい」は二割前後です。

価値観 日常生活での心がけは「周囲の人に迷惑をかけない」こと
 社会に対する「満足度」をみますと、日本の場合三五%で、アメリカ(六〇%)、イギリス(四八%)、西ドイツ(七九%)に比べて満足感をもつ者が少ない。しかし、七年前の調査時に比べて「満足」「やや満足」の”満足傾向”が九%ふえ、不満傾向が一六%減っています。
 また、暮らし方については「経済的に農かになる」、日常生活で特に避けるよう心がけていることでは「周囲の人に迷惑をかけない」が、それぞれ諸外国に比べて際立って多いのが注目されます。

親しい友人 友だちは大部分が同性
 日本をはじめ各国の青年とも、八~九割が親しい友人をもっていると答えています。ただ、日本の場合、大多数の国々とちがって、親しい友人のほとんどが同性で、異性の友人の少ないのが特徴。
 また、日本の青年は、諸外国に比べて、街の中や旅先など多様な場で友人をつくるというよりも、学校や職場のような限られた場で親しい友人を得ています。

学習 卒業後の学習意欲が旺盛
 義務教育後の高校(約九三%)、大学等(三八%)の進学率は、アメリカ(大学等で四五%)についで高水準です。
 そして、卒業後の学習意欲はブラジルについで高く、学びたい理由として「趣味や余暇に役立つ知識・技術を習得するため」が諸外国に比べ多くなっていることが特徴となっています。

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