読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1979年8月発行 広報よみたん / 2頁

観光と農業を連結して残波岬一帯の有効利用を 源河朝法(村商工会々長)

観光と農業を連結して残波岬一帯の有効利用を
 源河朝法(村商工会々長)
 「ムラおこし講演会・研究集会」に参加して、今後の商工業振興を考える上で参考になる点が多く、有意護な一日となったが、商工業者の立場から今一度ふりかえってみたい。
 講演の中で北海道池田町の事例が有ったが、その池田町では、赤字団体いわゆるゼロの町でありながら農家が土地を手放す場合には町が買い支えをし、又、町経済を支える為に町職員をドイツへ派遣し、ブドウ栽培とブドウ酒造りを研究させ、町経営の十勝ワインを成功させたり、ミートバンクを設置して牛肉の流通を考えたり、いろいろと大事業をなしとげ、今や年間五十万人の観光客を引き寄せているという。しかもその事業の為に外部からの人的導入は全く無いということであり、このことは自治体がその気になればそれ相当の事業が可能だということを立証しているものと考えられる。このように考えてみると、残波岬一帯は昔から優れた景勝地として知られ、今でも自然を求めてやって来る人達が多く、観光地としての要素を十分に充たしているので第二次産業と第三次産業をうまく連結し、あるいは公共施設等を兼ね備えた観光地として行政側の指導を受けながら開発した方が好ましいのではないかと考える。
 それから地方からのレポートの中で、多くの人が強調していることは、今、地域として必要なのはビッグプロジェクトなどではなくて、小さな産業の積みあげであり、そういう事に意欲を燃やす人材だと言う事である。今、本村ではヤチムン村が計画され、その準備が着々と進んでいるが、現在本村にはすでに何年か前から当地に住みついて焼物をしている方々が数名、細々とではあるが生産に精出している。その方々も地域の産業にわずかなりとも貢献をしており、何らかの形で村経済に参与しているものと考えられ、後継者あるいは人材育成の為にも何らかの策が必要なのではなかろうか。そのことはレポートの中で言われた「地域が自立できるか否かは行政なり、自治体なりが地域の為に必死で戦う人達とどのようにかかわるか、どう接するかで決まる」ということにつながるものと考えるからである。
 最後に今回の「ムラおこし講演会・研究集会」を通して村民各層、各団体の方々がこれからの村の歩むべき道を様々な形でとらえ、あるいは考えたであろうが、いろんな意味で刺激になったであろうし今後の方向づけに多大いに参考になったと思う。唯、限られた時間の中でほとんど問題の提起だけで終ったことは残念ではあるが、それだけに次回のシムポジウムヘの発展に大なる期待を寄せるものである。

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