村民総参加でムラおこし農業こそ生きる道
宮平憲勇(高志保)
村内で農業を営む青年として「ムラおこし講演会並びに学習会」に参加し、住みよい村づくりの先鋒をあゆみ、農業に取り組む者としてこの日の参加は大変有意義で、かつ勇気百倍、活力にみなぎる何かを感じ取ることができました。
諸先生方の講演、並びに報告等については本土の他市町村の具体例を交えつつ話されていました。それぞれ立場のちがう者としては多種多様の感じ方をされた事でしょうが、農業青年である私としては二十一世紀に向けての新しい村づくり等に深い関心を持つ一人として大変勉強になりました。
そこで、私は農業に従事する青年として、その雑感を述べたいと思います。
この日の講演会並びに学習会等で、本村の主産業である農業が今後のムラおこしの主役たる、そして期待が寄せられていると私なりに感じ取ることができ、大きな安心感を得ると共に、益々「やるゾ!」という勇気を身におぼえました。そこで、本村の農業、その現状にふれてみますと、確かに復帰後の農業生産基盤等の整備は各種制度の導入でもって目覚しいものがあります。だが、農業収入だけで生計を立てている農家はほんのひと握りにしかすぎず、他産業に依存する度合はかなり大きいものがあると思います。そのことが「農業では食って行けない」という既成概念として強く残っているのが今日の農家をとりまく現況ではないでしょうか。
農業!たしかに「きつい」。血のにじむ汗の結晶でもって農業そのものは構成されていると思います。農業に誇りを持ち立志する者として、現状の農業を取り巻く既成概念に強い不満を持つのは私だけではないと思う。なぜなら、この一~二年前から村内の若い農業青年を中心にして、本土市場を目指した花づくりが盛んで、かなりの実績をあげているからです。亜熱帯農業それは我が沖縄の無限の可能性を含み、さんぜんと輝く太陽熱を利用した農業は他県に類のないものであり、その気で取り組むのであれば、灰色の空の下で働くよりかずっと健康的な生活、人間らしい生活が得られるものと思います。その中で、今回のムラおこし講演会等は私たち若者にとって勇気百倍の精神的心のうるおいを得ることができ、有意義だったと思います。ただ残念なことば一日と限られたスケジュールの中で息つく暇もなく進行しただけに、もっとゆとりある日程を組んでほしい気がしたし、次回のシンポジュームはぜひそうしてほしいと思います。
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そして、より多くの村民が参加出来るような企画を立ててほしいと思います。一人で聴くよりか十名で、十名よりか百名でというようにこの種の催しは多くの村民に参加する機会を与えてこそ、真のムラづくり、その展望に一個の礎として担って行こうと個々の村民がそう目覚めるものだと思います。
とかく、今回の催しに参加するチャンスを得ることができ大変うれしく思い、そして、自分が生涯の生活の糧と選んだ農業に一層の活路を得ることができましたし、当局のムラおこし運動を村民的な躍動でもってぜひ実現させてほしいものです。