なぜ高い保険税 公平な税負担にご理解を
国民健康保険法によりますと、保険者(市町村)は、被保険者(国民健康保険に加入している住民)の病気・負傷・出産又は死亡に対して必要な保険給付を行うとともに、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、住民の社会保障と保健の向上につとめるように義務づけられております。それから被保険者は、保険事業の健全な運営に要する費用を負担することになっております。このことを昭和五十四年度読谷村国民健康保険特別会計予算で説明いたしますと、被保険者が病院などで診療をうけたとき、その医療費の三割分は本人が直接病院の窓口で支払いますが、残りの七割分については、被保険者(住民)にかわって村が病院に支払うことになります。(この七割分のことを保険給付費といいます)その支払いを予定している保険給付費は、国保会計の総予算に占める割合が九二・三パーセントで四億八千二百三十六万二千円になります。この保険給付費のうち国からの補助金、負担金など差し引いた残りの金額一億七千二百九十六万九千円を保険税として被保険者が負担しなければなりません。わかりやすく説明しますと、保険者が保険事業の健全な運営をするためには、四億八千二百三十六万二千円の費用が必要ですので、そのうちの一億七千二百九十六万九千円は被保険者の世帯主で負担して下さいという事です。しかし、保険給付費が年々二五パーセント以上も伸びているとはいえ、被保険者の総所得が前年度より一三パーセントも減少している時に、原則通りの税額を負担してもらうことは容易なことではないということで、いろいろと減額について検討しましたところ、一般会計予算から一千万円、国保会計の繰越金から九百八十一万一千円、合計一千九百八十一万一千円を繰入し、繰入れした分を保険税額から減額して一億五千三百十五万八千円を負担してもらうことにしました。この一億五千三百十五万八千円を被保険者で負担するためには、一世帯当りの平均額が四万二千円被保険者一人当りの平均額が一万八百円になります。この負担額を五十三年度の決算額と比較しますと、一世帯当りの平均額で一五パーセント、一人当りの平均額で一六パーセントの上昇になります。このように毎年保険税が高くなる第一の原因は、保険給付費(病院に支払う金)の伸びが予想以上に大きいということです。そして国保の場合、生身の人間を相手にして仕事をしていますので、いつ病気やけがをして診療をうけるかわかりません。その場合、予算がないから病院にはゆくな、どうしても診療をうける人は、本人で全額負担しなさいとは言えないのであります。また、そのような事態は絶対にあってはいけないことです。それ故に、国民健康保険事業特別会計においては、いつでも被保険者の需要に対応できるように収入を確保しておく必要があります。そのために保険者としては保険税の賦課を公平にするとともに、その徴収にも全力を尽しそれと同時に、被保険者もそれ相応の負担をしてもらい、自主的に完納してもらう必要があります。
増える一方の医療費 前年度比21%も伸びる
私たちの国民健康保険、村民生活に深く根ざした国民健康保険は、相互扶助精神のもとに運営されていることがご理解いただけたと思います。
ところで、二年ぶりに税率引き上げをみた国保税は所得割税、被保険者均等割、世帯別平等割とに区分され課税されています。それぞれの上げ幅は、所得割税が三三・六%。被保険者均等割が一千二百六〇円、世帯別平等割が二千五百九〇円値上げされました。従って、被保険者一人当り平均保険税は昭和五三年度に比べ一千五百七円アップされ、一万七百九十九円になります。
こうした保険税値上げ最大の理由は(一部重複)、私たちが病院等に支払う医療費の七割は国民健康保険特別会計でまかなわれますが、その医療貨が年々値上げされているのが最大の理由です。ちなみに今年度の一人当り医療費は平均七千二百四十五円に大幅値上げされます。この上げ幅は昨年度に比べ実に二十一%になり、昨年度並みの保険税率で賦課いたしますと、私たちの国民健康保険はたちまち火の車、健全な運営はできません。
次に、保険年金課がまとめた昭和五三年度における一世帯当り医療費、保険税、年間受診回数状況をみると、私たちが負担した保険税の約二・六倍が医療費として病院等に支払いされています。一方、受診回数は十二回、毎月一回家族の誰かが受診したことになっています。
健康であることは、かけがえのない幸せな家庭を築く礎になります。しかし、万一の病気、不慮の事故は予測出来ないものです。常に心にゆとりある生活でもって自らの健康管理に努め、病気の早期発見、早期治療にあたりましょう。
尚、国民健康保険について詳しく知りたい方は役場保険年金課にお問い合せ下さい。
〈あなたの健康はあなた自身がつくるものです〉
あなたの健康はあなた自身がつくって行く以外にありません。健康管理は一人一人が責任をもって考え、実行していくものなのです。病気になってはじめて健康のありがたさに気づくようでは遅すぎます。健康への日頃の努力は、国保の一員であるあなたの務めです。
〈今日からはじめる健康づくり〉
今、あなたはあなたの健康づくりのために何をしてますか。散歩、体操、マラソンなどあなたの体にあった運動は、あなたの心がまえ次第でいつでも簡単にはじめられます。栄養のバランスのとれた食生活、十分な休養ということも実行してますか。さあ、あなたの家も今日から健康家族の仲間入り-明日からでは遅すぎます。
※グラフ「国民健康保険の1人当り保険税額と医療費支出額の推移」は原本参照