みんなで築こう豊かな老後 ““生きがい””づくりはみんなの手で 9月15日~老人福祉週間
九月十五日は「敬老の日」です。
お年寄りは、これまで永年にわたって社会に貢献してこられました。長寿を心からお祝いすると共に、今後も今日まで培ってきた知識と経験を社会に役立ていただきたいものです。こうしたことが、お年寄りの生きがいになると同時に、世代を超えた新しいコミニケーションの場になるのではないでしょうか。
私たちは何んといっても健康が第一条件です。特にお年寄りには生活環境が大きな影響を与え、家庭での良い生活条件が最も大切だといわれます。また、お年寄り自身もその能力に応じて家庭や社会に役立つような仕事をして「生きがい」を感じることが長寿の秘訣ともいわれています。
敬老の日を契機に、今一度老人の福祉について考えてみると共に”老人に生きがいのある社会を”ともに築いて行きたいものですね。
かけ足でやってくる”高齢化社会”
明治時代の日本人の平均寿命は、男性が約四十三歳。女性が約四十四歳でした。それから約百年を経過した今日、男性で七十三歳。女性で七十八歳と世界の長寿国のトップへ躍り出ました。もはや「人生七〇年」はあたりまえのことになっています。
そのことは、我が国が高齢化社会への第一歩を踏み出したことになり、しかも、そのスピードは急速に進んでいます。
昭和五〇年における資料で見ると、十五歳から六四歳までの働き手八・五人に対して老人は一人という比率になっています。だが、三○年後の昭和八○年においての予測は、働き手四・一人に対して老人は一人ということになり、老齢化社会はかけ足で近ずいて来ています。
次に、現在わが国における六〇歳以上の老人は約千四百万人だと推測され、総人口の十二%を占めています。つまり、百名の内十二名は老人といわれ、さらに昭和八○年代に入ると百名中二〇人余りが老人になるものと予測され、国民全体の二割がお年寄りとなるわけです。まさに”老人天国””高齢化社会”への移行へとテンポは急ぎ早やにかけ足でやって来そうです。
この数値を先進諸国と比較してみた場合、一目瞭然で知ることができ、例えば、国民全体に占める六〇歳以上の人口の割合が、八%台から十八%台に増えるまでの期を比べて見ると左の図表の通りになります。つまり、フランスが百七十七年かかって十八%台へ到達するのが、我が国においては僅か四〇年で到達すると予測されています。それは昭和七○年代から八○年代にかけてやって来るものとされ、老人福祉に対する対策は、とりわけ急がなければならないものであろう。
ところで、昭和七〇年代において、お年寄りの仲間入りをされる方というのは、いま働き盛りの四〇代の方々です。お年寄りの福祉を進め、生きがいのある社会を築き行くことは世代を越えた連帯の中で、わたし達一人ひとりが、力を合わせて解決しなければならない大きな課題といえましょう、ことに昨今の社会環境をとりまく姿は決して明るいものでなく”省エネルギー・節約の時代・資源を大切に”という国民的な見直しが進む中で、これまでの経済成長下における”消費こそ美徳”だといわれた過去の甘い夢をきれいさっぱり忘れ、これからの高齢化社会に即対応出来る国民自らの”福祉”について考える良い機会でもあります。
その中で「敬老の日」を契機に、わたしたちは「明日は我が身」になって、老人問題を真剣に考えてみょう。
※写真「社会奉仕に積極的参加。ボランティア活動に精を出すお年寄りたち。」、表「高齢者社会(18%台)到達年」は原本参照