家庭での役割分担を決める お年寄りに生きがいを
-そのおばあちゃんは、毎朝掃除をすることが、家庭の中での自分の役割と考え、何よりの生きがいと感じていました。
ところが、ある日お嫁さんが「そんなこと、しなくていいの」と、掃除機を取り上げてしまったその日から、おばあちゃんは強度の便秘に悩まされ、とうとう寝こんでしまいました。それが、また掃除を
させてもらうようになったら、ウソのように便秘は治ったというのです。
-ある農家のできごと。農繁期でネコの手も借りたいほどの忙しいとき、その家の老人は何かの役に立ちたいとはたけに出て行ったのですが、「邪魔になるから、引っ込んでいて」といわれ、明くる朝、自殺を試みたということです。
「何もしないで、ジッとしていればいいのよ」という言葉ぐらい、お年寄りにとって残酷な言葉はありません。
のけ者にされないこと、つまり自分は役に立つ存在であるという自信と、自分のことは自分でやれるという気負いが、日々お年寄りの心の張り、生きるバネになっているのです。
家庭では、お年寄りの役割分担をみんなで考えましょう。お年寄りは自分の役割を通して、家族との接点をもち、生きがいを見いだしていくのです。