第2次農業構造改善事業スタート高志保・渡慶次に集落センター建設 総事業費3億8、897万4千円
読谷村は昭和五○年度からスタートした、第一次農林漁業構造改善緊急対策事業の終了に伴って、昭和五四年度から新たに第二次農業構造改善事業をスタートさせた。
同事業は、昭和五七年までの四ヶ年計画で進められ、総事業費は三億八千八百九十七万四千円を予定している。これら事業費の内訳は、国庫補助金二億三千二百六十四万円(六○%)はじめ、県補助金二百十八万七千円、村負担金一千九百二十一万七千円など、外に公庫資金、受益者負担で賄われることになっている。
農業構造改善事業のねらいは「立遅れの著しい県内農業の生産基盤及び近代化施設等を整備し、生産性の高い農業地域を確立して、農家の生産意欲を高めると共に、農家の所得向上を図る」。とするのが主なねらいであり、読谷村においては、昭和五○年度からスタートした同事業の積極的運用でもって、共同利用畜舎や共同利用ハウスなど八種目の事業を導入、農業の基盤整備はめざましい進展を見せている。(広報よみたん第二三四号参照)以下、農業構造改善第二次四ヶ年実施計画の概要をひもといてみたい。
一年次
酪農牛舎を建築 乳牛一三○頭飼育
第二次農業構造改善事業は昭和五七年度を最終年度として事業は進められる。
まず、初年度の昭和五四年度においては、事業費総額一億三千五百七十三万一千円を予定している。その主な事業は、農業近代化施設整備事業による読谷酪農組合の共同酪農牛舎があげられる。同事業には、楚辺区の酪農農家(四名)が中心になって、楚辺高土原に造成予定で、すでに設計計画も終わり、十月中には工事着工される見込みである。
読谷酪農生産組合の事業計画をみると、共同牛舎の総面積は一千二百四十六平方メートル。乳牛は一農家当り三○頭規模の飼育計画で、合計一三○頭になる。これらの事業から生産される牛乳は日量一千三○○キログラム、年間四八○トンの生産が見込まれている。一方、優良乳牛の導入事業も計画されている。
初年度においては、同事業の他に、農業組織促進事業、および共同利用農機具の購入も予定されている。
二年次
渡具知にビニールハウス団地 高志保には集落センター
二年次の昭和五五年においては、総事業費一億三千七十三万円を投入する。
事業の主なものは、農業近代化施設整備事業によるビニールハウス団地の造成である。同団地は渡具知野菜生産組合が事業主体になって、渡具知中道原一帯に総面積一万三千平方マートルのビニールハウス団地が造成される。施設の一棟あたりハウス面積は一千三○○平方メートル。渡具知ビニールハウス団地内には十棟のビニールハウス群が軒を並べることになる。また、並行して、共同かん水施設、共同農機具も導入されることになっている。
一方、農村環境施設整備事業として集落環境施設「集落センター」が高志保地内に建設される。同事業は、豊かな農村建設をめざすため地域活動の拠点づくりとなる集落センターであり完成後は農村集落活動の殿堂として広く利用されるものとその完成が待たれる。建築場所は現、高志保公民館敷地内を予定している。
集落センターの総面積は三九八平方メートルである。
三年次
座喜味地内にビニールハウス団地造成
三年次の昭和五六年度においては、座喜味地内にビニールハウス団地が造成される。同団地は座喜味前田原に造成計画されハウス群の建設は五棟。一棟あたりハウス面積は八二五平方メートル、総面積では八千二百五○平方メートルになる。同事業の農家が参画する。また、同団地内に、共同育苗施設としてファイロンハウス六七五平方メートル、共同かん水施設も並行して建設される。
座喜味地内における農業生産基盤の整備は極めて著しい。とりわけ、第一次農林漁業構造改善事業による養豚団地の造成をはじめ、喜名田原一帯の農村基盤総合整備事業、それにいも生産団地の造成など、農家をとりまく生産基盤の整備は著しいものがある。
四年次
渡慶次に集落センター建設
最終年次の昭和五七年度は総事業費六千八十八万三千円を投入し、第二次農業構造改善事業の完了をみることができる。
最終年度における主な事業は第二次年次で進められた農村環境施設整備事業の第二弾、渡慶次地内集落センターの建設である。同施設は渡慶次公民館敷地内に建設される予定で、建物面積は四百十九平方メートルとなっている。
一方、集落センターへの連結道路として、長さ三○○メートル、幅六メートルの道路も敷設され、完成後は地域活動の拠点になるものと期待されている。
第二次農業構造改善事業は、昭和五七年度をもって完了することになり、その間に投じられる事業費総額は三億八千八百九十万四千円。これは、第一次農林漁業改善事業に比較して、一億二千九百七十二万五千円多く、豊かな農村建設を目指す息吹きは只今エンジン全開中で進められている。