読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1979年10月発行 広報よみたん / 11頁

読谷の文化財 №8 楚辺くらがぁ

読谷の文化財 No.8 楚辺くらがぁ
 楚辺暗川は、楚辺部落の南端にあり、戦前までは、樹令五百年のウスメー松という老松が残っていた。
この”楚辺暗川”の発見は、赤犬子の話にまつわる美しい娘チラーの飼っていた赤毛の犬によって発見されたものだといわれている。
 当時半年も雨が降らず、ひでりが続く毎日、村のため池はガビギンガーといって番人がおり節水している。思うにまかせず村人たちは、天を仰いでは、ため息ばかりついていた。ある日のこと、赤毛の赤がしきりにチラーの着物のすそをくわえてひっぱり森を抜け、一つの洞穴の前までつれていき、すぶぬれになって戻ってくることで、洞穴の中に水のあることを知らせた。
 その内に村中に知れわたり、村中総出で炬火をかざし、洞穴の中を調べたところ、こんこんとわき出る泉の発見に狂喜し、干ばつをしのぐことができたといわれている。現在、この”楚辺暗川”は軍用地内にあり、農業用水として村人の生活に一役かっている。

※写真は原本参照

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