読谷の文化財 No.8 楚辺くらがぁ
楚辺暗川は、楚辺部落の南端にあり、戦前までは、樹令五百年のウスメー松という老松が残っていた。
この”楚辺暗川”の発見は、赤犬子の話にまつわる美しい娘チラーの飼っていた赤毛の犬によって発見されたものだといわれている。
当時半年も雨が降らず、ひでりが続く毎日、村のため池はガビギンガーといって番人がおり節水している。思うにまかせず村人たちは、天を仰いでは、ため息ばかりついていた。ある日のこと、赤毛の赤がしきりにチラーの着物のすそをくわえてひっぱり森を抜け、一つの洞穴の前までつれていき、すぶぬれになって戻ってくることで、洞穴の中に水のあることを知らせた。
その内に村中に知れわたり、村中総出で炬火をかざし、洞穴の中を調べたところ、こんこんとわき出る泉の発見に狂喜し、干ばつをしのぐことができたといわれている。現在、この”楚辺暗川”は軍用地内にあり、農業用水として村人の生活に一役かっている。
※写真は原本参照