村民文化・福祉活動の拠点に 読谷村総合福祉センター建設 安らぎと憩いにみちた施設づくり 村民参列の福祉センター赤レンガ一個献納運動を展開 創造性豊かな施設に600名収容の大ホールも総工事費は3億155万4千円
村民参別の福祉センター 赤レンガ一個献納運動を展開
起工式を終えた読谷付総合福祉センターは翌十三日から槌音高くエンジン全開で工事は進められている。
建築現場は座喜味二九七五番地、旧読谷国民学校敷地跡周辺に建設され、すぐとなりには村民運動広場があって、福祉センターは運動広場と結びつけた文化活動・福祉活動の拠点になるものと期待されている。
建設敷地の面積は二千七○○平方メートルあって広々とした敷地には緑の空間を広く植栽し、心のなごみを自然に高めようとする配慮がなされている。また、建物面積はのべ面積で一千六百三十七・八平方メートル鉄筋コンクリート造り二階建となり、屋根の周辺には沖縄独特の情景をかもしだす赤がわらを随所に使い、いかにも文化村づくりを目指す読谷ムラらしい福祉センターになる模様。
一方、階下の「あまはじ」「廊下」には一万個余りの赤レンガを敷き詰め、素朴感を漂わし誰もが気軽に足を運べるような、いうなれば「村民広場」的な感覚をもつ建築構造として設計されている。
総合福祉センターは村民総意の熱烈な夢の実りであり、村民の自からの手によって造りあげられなければならないもの。その中で「赤レンガ一個献納運動」が展開されることになっている。赤レンガも村民自から赤土を捏ね、手づくりのレンガを焼き、総合福祉センターの一角に村民の汗の結晶を刻み込む。いわば村民みんなで造りあげた「総合福祉センター」にするもので、今村社会福祉協議会事務局を中
心に「赤レンガ一個献納運動」の計画案が練られている。
あなたもぜひ赤レンガ一個献納運動にご参加下さい。
創造性豊かな施設に 600名収容の大ホールも 総工事費は3億155万4千円
読谷村総合福祉センターは村社会福祉協議会が事業者主体になって運営される。施設の設計は公募により、厳選な審査の結果、永田建築設計事務所(永田盛重代表)の作品が採用された。
総工事費は三億二百五十四万四千円。その内訳は、村補助が、一億六千九百二十八万四千円。県補助が一千万円。残り一億二千二百二十六万円は日本自転車振興会からの補助金をもって建設される。
工費は分配発注により、それぞれ分業で進められている。まず、建物部門においては仲本工業(仲本興成代表・沖縄市在)が一億九千四百八○万円で請負。給排水空調設備部門は共和工業(仲程良松代表・村内企業)が、五千五○万円で請負。電気設備部門についてはアート電水一工事社(宇栄原宗春・村内企
業)が三千三百万円で請負、それぞれの企業別、分業で工事は進められている。
建物の設計は現代建築界の先端を行くモダンな建物構造で、一階は七八五・○八平方メートル。二階は七九五・○平方メートル。また、中三階も設置され(二七・三六㎡)総計では一千六百三十七・八一平方メートルになっている。
一階部屋配置図の主なものをみると、まず老人憩の室(一五九㎡)、コミユニティホール(九八㎡)、ヘルストロン室(四四㎡)、機能回復訓練室(五五㎡)それに心配ごと相談室(十八㎡)があげられる。ことにヘルストロン室については画期的なもので、広く活用されるものと期待されている。
このヘルストロン室とは、別名「交流高圧電界区療養装置」ともいい、設置室を利用することにより、利用者の血液中のカルシューム・イオンを増加させ、それによって細胞の働きがより活発になり、治療と健康を増進させるための医療機器である。また、身障者にとっての機能回復器機、浴室におけるラジウム温泉等の利用などは、高齢化社会へと移行しつつある現代社会の要求であり、健康増進にかなりの効用があるものと、早くも老人仲間から施設の完成が心待ちされている。
一方、二階の部屋の主なものはステージ付き六〇〇名収容の大ホールをはじめ、中研修室(七五㎡)があげられる。ことに大ホールについては話題を呼んでいる。これまで村内での各種催し物は専用のホールがなく、これまで中央公民館や学校体育館を利用して諸行事をとり行い、何かと不自由な思いをしてきたがこの大ホールは音響効果も充分に整えられ、中三階からの投光。調光装置も完備されるとあって諸々の催し物、発表会には最高の殿堂になるものと期待されている。また、中研修室は、宿泊研修も可能だとされ、文化活動、コミュニティ活動の場として利用される模様。
施設は全館冷房とし、静養室、児童遊戯室、大俗場、身障者のための機能回復訓練施設など、すべての村民が気軽に利用出来る総合福祉センターになるものと、早くも来春早々の竣工が日一日として期待されている。
※「読谷村総合福祉センター建設見取図」は原本参照