米軍パラシュート落下事故 あわや大惨事! もはや行動あるのみ実力阻止 無神経な米軍落下傘事故降下演習に怒りの炎 民家から僅か13メートルの至近距離 近くに子どもの遊び場七キロの金属塊降下 村民を愚労する米軍の態度「誰かが持ち去る」???
米軍パラシュート落下事故 あわや大惨事! もはや行動あるのみ実力阻止 無神経な米軍落下傘事故降下演習に怒りの炎
「あわや大惨事!」-またもや米軍用演習パラシュートが住民地域に落下し、地域の住民を震えあがらせた。幸いにして住民や住宅に直接の被害はなかったものの、一歩誤まれば一大惨事をまねきかけないとあって、たびかさなる米軍パラシュート落下事故は大きな社会問題になり、村民の怒りの輪は「もう我慢にも程がある。堪忍ぶくろの緒が切れた」。「過去の忌まわしい事件をくり返すな」と米軍パラシュート演習の即刻中止、演習場撤去を叫けぶ村民の怒りは大きな輪になって燃え盛っている。
民家から僅か13メートルの至近距離 近くに子どものあそび場 七㎏の金属塊急降下
今度の事故は、十一月六日午前六時十五分頃、字楚辺通称ニューハイツと呼ばれる分譲住宅地内で起きた。強風にあおられたパラシュートはニューハイツ内の住宅地域から道ひとつ隔て一番近い住宅から僅か十三メートルの至近距離、また、すぐ近くには子供のあそび場があって、「一歩あやまれば大惨事!」と地域住民を恐怖の中に落し入れた。
パラシュートの下には七キログラムの金属性円筒塊をつり下げての急降下とあって、ズッシ~ンと地ひびきをたて落下したといい、「もし、その下に……」と想定した時にゾッと血の気が逆流する思いをし、一九六五年の忌まわしいトレラー落下事故を思い起こさずにはいられないもの。
第一発見者の名城和夫さん(楚辺)はその時の模様について興奮さめやらぬ面持ちで次のように話していた。-「薄暗い上空を見あげると、ピカッピカッと青白いせん光を点滅させながら急落下してくる物体を発見した。恐る恐る近寄るとパラシュートであり『またもか』とうんざりした。しかし、よく見るとパラシュートの下には円筒塊といっしょにピカッピカッと点滅するものがあって、ヒヤッ!爆弾ダ!と一瞬身をひるがえし腰を抜かす程びっくりし、顔面蒼白になって冷汗をかいた。こんな危険なことがどうして住民地域で行われるのか。実力阻止ダ!」と鋭い口調で声を震わせながら話していた。
一方、事故現場に最も近い古堅信行さんは「これでは安心して生活もできない。生活に安らぎを求めて移り住み三ヶ月しかならない。まさかと思っていたことが、真の当りに直面し憤慢やるかたない。土地を求める時、いろいろ問題の起きる地域の近くだが、と家族で話し合った。まさかと思っていただけに、この状態では夜もろくに寝られやしない。村民運動で即刻中止を」。と怒りさめやらぬ面持ちで話していた。
問題の落下物、パラシュートは嘉手納空軍基地所属第33救助隊による降下訓練の際に目標地点を定めるために投下されるテスト用パラシュートだといわれ、夜間訓練は初めてだという。
旧読谷飛行場跡地での米軍降下演習は、実施を前にして文書通告を届ける。今回の演習も十一月一日に演習実施の通告が届けられていた。しかし、夜間演習とあって危険を伴い、翌二日山内村長は「夜間の訓練は危険きわまり、まかりならぬ。村民の生命と財産を守る立場から演習は絶対認められない」。と強い姿勢で那覇防衛施設局に訓練中止の要請をし、さらに五日にも本土出張を前に再度中止を申し入れた。
夜間演習の危険性を重視した村当局は、この日(五日)緊急課長会を開き安田助役を中心とした「夜間パラシュート降下演習対策本部」を設置し、万一に備え、訓練予定地のパトロールを強化した。だが、米軍側は聞く耳をもたず、演習は強行され翌六日の落下事故へと発展していった。
村民を愚弄する米軍の態度 「誰かが持ち去る」????
起きるべきして起きた-。たびかさなる米軍の無謀な降下演習は「もう我慢の潮どき、堪忍袋の緒が切れた」燃え盛る怒の輪は村民ぐるみの輪となって広がっていった。
一連の事故の中心舞台となった楚辺区(比嘉順繁区長)では事故に関する協議を直ちに展開。翌七日は午後九時から同区公民館ホールで怒りに燃ゆる「抗議区民集会」が開かれた。抗議集会には多くの区民が参加、口々に「人命軽視もはなはだしい村民ぐるみの抗議行動を」と満面怒りにみちた面持ちで真剣な表情で経過報告や意見発表を聴入っていた。
楚辺区では、これまでにも米軍ジェット機墜落事故や忌まわしい事件が発生して区民を嘆かせた。今度の事故も起こるべくして起きた事故であり、全区民が奮起し、住民の力で阻止しない限り我々の命は守れない、と口々に怒りの声が飛び出していた。その中で、抗議行動区民代表団を組織した。
一方、役場事故対策本部でも八日の早朝全課長を非常召集し緊急課長会を開き「もはや行動あるのみ」-。那覇防衛施設局へ楚辺区民代表団と共に抗議行動を展開した。施設局では、
※写真「これです問題の落下物はと示す比嘉順繁楚辺区々長」は原本参照