年頭のあいさつ 読谷村議会議長 新垣秀吉
村民の皆様、明けましておめでとうございます。昭和五十五年の輝しい新春をお迎えするに当り、読谷村議会を代表いたしまして、村民の皆様へ謹んで年頭のごあいさつを申し上げます。
旧年中は村民の心温るご指導ご協力によりまして大禍なくその責務を果させていただき心から敬意を表するとともに深く感謝を申し上げます。
迎えました昭和五十五年は村民一人びとりの上にご健康で明るく、豊かな希望のもてる活力ある日常の営みがありますよう祈念申し上げ、尚、村内各自治会におきましても秩序ある自治会の営みが達成されますよう心から願うものでございます。
昨年は内外のめまぐるしい激変する諸情勢の中で、たしかに世相もまた厳しいものがございました。とりわけ十一月六日、楚辺で起ったパラシュート落下事故の発生に対し村民の皆様方が大きな怒りをお感じてなられたことと思います。本村議会は事態を重視するとともにいち早く臨時議会を招集し、村民の生命と財産を守る立場から米軍の降下演習の即時中止と降下演習場の撤去決議を行ない、県内の関係機関は勿論、日本政府関係要路に強力な要請行動を展開してまいりました。今回の要請行動を通して感じましたことは先ず共通の認識を深めさせることができましたこと、尚、日米安保協議会の議題として取り上げてもらったことで一様の前進があったものと思います。
今回の降下演習の中止と演習場の撤去について村民皆様方の惜みないご協力に対し心から感謝を申し上げます。
さて皆さん、昭和五十五年は年明けとともに諸物価高の波がおし寄せてくる厳しい世相を予想しなければなりません。このような喜ばしくない世相を向えるにあたり村民一人びとりの叡智と創意を結集し厳しい世相を乗り越える覚悟をしなければならないと思うのであります。私達は内外の厳しい諸情勢を的確に判断し、これに対応していく所存であります。村民の皆様のご協力をお願いいたします。
本県は日本復帰後八年目を迎え、沖縄振興開発計画年次も二年を残すのみであります。この重要な時期に当り、村内各機関、諸団体が一体となり協力態勢をつくり上げ、二十一世紀に向けて人づくり、村づくりに遭進する覚悟を新たにしなければなりません。村民の皆様、倍旧のご指導とご協力を賜りますよう心からお願いを申し上げ、終りに村民皆様のご健康とご繁栄を祈念申し上げ、年頭のごあいさつといたします。
※写真は原本参照