小さな献血で大きな福祉 座喜味区で集団献血
「病む人の心なごます我らが献血」-を標語に座喜味区で区民ぐるみの献血が去る十二月九日午前十時から午後四時まで同区公民館中庭で行われた。この日は、沖縄赤十字血液センターから献血車を出向、二百人近くの区民が献血の申し出をし、内、一二六名の方が、献血をした。献血希望者はそれぞれの健康状態を厳しくチェックされ、その後、健康な方だけ一人当り二百CC採血された。不採血者の中には、ぜひ献血したい。数日前から体調も整えていた。と積極的に献血を申し出る方も多く、座喜味区民の献血に対する理解の深さを見せていた。
座喜味区における今回の集団献血運動は同区共栄会(喜友名昇会長)を中心に盛り上がり、区民全体の献血運動にまで発展していった。喜友名昇会長は「これまで地域活動として種々の行事を行ってきたが、レク活動がその中心であった。こうした活動も一応軌道にのり、広い視野での社会奉仕活動を事業計画に組み入れた。その中で、慢性的な血液不足に悩む血液センターの実情に接し、広い意味での社会活動を興こした。私たちの健康な血液が病いに苦しむ人達に役立てられたら喜こばしい」。と話していた。一方、共栄会員の献血運動は区民ぐるみの運動へと発展し、献血に対する理解を示すため、区民からの標語募集や映写会などを催し、正しい献血の知識などの講演会も開き、区民に広く献血の理解を求めたとのこと。また、採血する前日は区内で予定されているすべての行事、祝宴を中止させ、禁酒を徹底させた献血運動は採血にかけつけた血液センター職員を感激させていた。
献血者の中には野良帰りの農夫も多く「採血は怖いという先入感が先走って、これまで遠慮したが、何んだそんなものだったのか」。と清々した顔つきでまた畑仕事へと走り去る献血者もいた。こうした部落ぐるみの積極的な献血の取り組みに、沖縄血液センターの安里二郎事務課長は座喜味区民の集団献血に深く感謝しますと語り「これまでの献血の大勢は個人や職場の献血が主だが、こうした地域ぐるみの集団献血は座喜味区がはじめて。沖縄県は絶対的必要量の血液がなく、手術にもこと欠くことが多く、慢性的に血液は不足している。座喜味区民の地域ぐるみの献血運動が今後の県民運動として波及して行くことを期待したい。そのことが病いに苦しむ多くの人たちが救われることか。座喜味区民の心あたたまる献血、まことにありがとうございます」。とかさねて感謝をしていた。
(写真)座喜味区々民ぐるみの献血運動。県内の慢性的な血液不足を補おうと、区民ぐるみの献血運動が展開された。この日、二百名近い区民が献血にかけつけた。
※写真は原本参照