さとうきび生産高 搬入高二万八千トン予想 再度の台風でかなりの減収
昭和五四年~五五年期のさとうきび搬入が去る一月十九日から始まりました。操業は四月中旬までのロングランとなるだけに、きび作農家にとっては一年で最も忙しいシーズンを迎えたことになります。
さとうきび搬入作業は以前はゆい共同作業が主でしたが、近年家族を単位とする搬入に変りつつあり、何かとのどかさを見せる収穫風景です。二月ともなれば搬入作業も最盛期、しかも厳寒期とあって、その中での過労による病気等が心配されます。ことに、この時期の健康管理には充分に気をつけなければなりません。
ところで、読谷農協がまとめた今期さとうきび生産高予想は二万八千トン台だと予想されています。ひところ三万トン台突破かと思われていただけに、その夢は来期に期待したいものです。今期は作付面積等の増大でかなりの増収が期待されましたが昨年の二度にわたる台風の影響をもろに受け、それが減収の主な原因になっているようです。
台風による影響は収穫作業にもかなり手こずらせているとのこと。幾重にもかさなりあったきびは、収穫作業をいっそう困難にし、遅々と進まない収護にあせる農家の顔。幸いにして野ネズミの被害の少ないのがせめてもの救いだといいつつも、手にカマを持つ農家の顔は一向に冴えない。それでも収穫する農家は来期に要をつなぎ、収穫の喜びをかみしめつつ、せっせと汗を流す姿はいつもと変らぬ風景で、農村の風物詩の一つともいえるものでしょう。
(写真)一月十九日から始まった今期さとうきび搬入。昨年の二度にわたる台風の影響でかなりの減収見込みだとのこと。これから四月中旬にわたりきび作農家は一年で一番忙しい時期を迎える。
※写真は原本参照