母と子の会話 兄弟げんか 成長の”心の糧に”
けんかは子供につきものです。
なかでも、兄弟げんかは毎日のことで、子供にとっては生活の一部といってもよいでしょう。子供はけんかをしながら成長するといえなくもありません。
ですから、人によっては、けがさえしなければ、あるいは物をこわさなければ、ある程度まではムリに止めないでそのままにしておく、という方もいるようです。
とはいえ、親にしてみれば、目の前のけんかがエスカレートしてくると、放っておくわけにもいかなくなります。むずかしいのは、その時の”収拾”のしかたです。
けんかは、子供なりの自己主張の表れです。もちろん利己主張も含まれているのですが、けんかとは、主張のぶつかり合いなのですから、自分のことばかりではなく、同時に相手の気持ちや立場も考えさせるようにしむけ、対人関係のあり方を学ばせるよい機会といえます。
逆にいえば、けんかをすることによって、ではどうしたら仲よくすることができるかを学ぶことができるのです。同時に、相手に対する思いやりの心も育っていきます。いろいろな意味で、子供にとってけんかは、対人関係を学習する機会であり、社会性を身につけていくための”教材”といえます。つまり、仲よくつき合う方法を覚え、自分を反省することを知り、成長への”心の糧”となっていくのです。
ですから、けんかの”収拾”にあたっては、一方的にしかって止めさせたりするのでなく、お母さんはけんかの意味をよく考えてあげてください。