読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1980年4月発行 広報よみたん / 3頁

昭和55年度施政方針 3、本年度の重点事項 4、本年度の実施事項 (1)教育諸条件の整備と社会教育文化活動等の振興に関する施策

〔243号2ページの続き〕

3.本年度の重点事項
1.教育及び文化の振興
1.産業経済の振興
1.社会福祉等の充実
1.生活環境の整備促進
1.読谷飛行場問題の解決促進
1.返還軍用地の跡地利用の促進
1.海岸域等の整備計画の促進
以上7項目を村政の重点事項として進めて参ります。

四、本年度の実施事項
次に本年度の主要な施策の概要を説明申し上げます。
(1)教育諸条件の整備と社会教育文化活動等の振興に関する施策
 教育は国家百年の大計であると言われます。人が人間たり得るのは教育のおかげであります。教育は、新しい世界への鍵であり、世のすべての問題の究極のあり方は「人間」にかかっていると言っても過言ではありません。
 本村は戦前から教育村と言われてきた。私達はそのよき伝統を更に発展させていく責任があります。教育基本法前文に「教育の基本理念は、日本国民として民主的で文化的な国家及び社会を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献し、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成であり、この理想の実現は根本において教育の力にまつべきものである。」と人類普遍の原理が示されています。教育の目的は、人格の完成をめざし、平和的、民主的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたっとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行わなければなりません。
 教育行政は、教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標として行わなければならない。そこで、児童生徒が健やかで伸びのびと学習できる環境を整備するため、古堅南小学校の建設をはじめ教育諸条件の整備、社会教育の振興、文化活動の促進、文化財の保護育成のため、本年度は次の事業を実施いたします。
①教育諸条件の整備
 本年度の教育諸条件の整備事業の大きなものは、新設古堅南小学校の学校づくりが第二年次を迎えたことであります。今年は普通教室(七)、音楽教室(一)、図工室(一)を計画しております。更に、古堅南幼稚園園舎建設事業として保育室(三)、管理室(一)、遊戯室(一)、便所(一)を新設し、地域の幼児教育の振興を図るものであります。
 読谷中学校校舎建設事業は、昭和五二年度から計画実施されてきたもので、今年は、普通教室(六)、管理室(一)、特別教室(三)の実施の予定であります。
②社会教育の振興
 本村の社会教育及び社会体育は、関係者の努力と関係団体をはじめ村民の積極的な協力、参加によってますます盛んになり各種学級の開設やコミニュティースポーツも定着し、スポーツの生活化が進んで参りました。
 社会教育は、村民各層を対象に生涯教育の観点に立って、各層各団体にマッチした事業を推進するものであります。
 少年団体として、地域子ども会の育成を強化し、学校や家庭でとり組めない面に配慮しつつ、活動を通して人間形成に資するものであります。
 青年団体は次代を担う団体であり、青年としての教養を高め、各字のリーダー養成とグループの育成を目指して青年学級の開設と研修会を実施するものであります。
 婦人団体は地域の諸活動の原動力的存在であり、その資質の向上を図るため婦人学級、乳幼児学級、リーダー養成等の事業を進めてまいります。
 また、老人クラブの高齢者学級、成人男子の成人学級、社会振興大会等々の諸計画もあわせて実施してまいります。
 社会体育の方面では、基礎体力づくりとして各種のスポーツ振興事業を計画し、各種スポーツ教室の開設、各種大会(年間六大会)、学校体育施設開放事業、運動広場の開設利用、雇用促進事業団福利厚生施設の体育館の設置等々を通して村民のスポーツ活動を幅広く振興して参ります。
 前述の諸活動を通して、村民の社会的教養の向上を目指すと共に地域住民の連帯と協調の輪を広げ、明るく住みよい健康な村づくりに貢献するものであります。
③文化財の保護と文化活動の展開
 文化は人間社会のいとなみのすぐれた開花現象である。各地域がそれぞれの地域特性に基づいて、地方社会を充実させることが文化培養の最も重要な方法である。地方社会の充実こそが文化発展の母体であることを思う時、文化論の上からも、八○年代「地方の時代」を重要視すべきであります。
 村立歴史民俗資料館を中心に関係者の努力と村民の協力によって、先人の遺した貴重な文化遺産の収集、保護、発掘、展示、講座の開設等を通して文化遺産を正しく継承し次代への新しい文化創造への努力が重ねられて参りました。
 村民は文化活動を通して、地域社会に対する深い認識と愛着の念が生れて参りました。文化村づくりに寄せる村民の理解と協力によって基本構想でうたわれている文化村づくりが地道にして着実に進みつつあるのであります。今後とも村民が相協力し、新しい文化の芽を徐々に育てる環境を作る必要があります。
 本村の今後の課題は、文化の担い手としての地方(地域)社会である読谷村域で、文化とは何か、文化の育て方、文化母体としての地方社会のあり方などについて、共通理解を深め、各分野において主体的、創造的、意欲的に実践することが必要であります。人間の歩いたあとが道になる。我々読谷村民は今年も勇気と深い認識をもって歩いて行こう、村民の歩いたあとが道になり、その道が文化となるのです。
 資料館を中心に今年も民話資料集(第三集)、文化財資料集、読谷村関係文献総目録の翻字作業、編集及び発行、更に読谷村年中行事調査、読谷村民家及び民具調査等を実施いたします。
 地域文化の向上を目的として、資料館講座を開設し、考古、民俗、歴史に関する特別講座を開催いたします。
 一方、史跡公園としての座喜味城跡環境整備事業を今年も継続して進めて参ります。年一度の大きな祭りである「第六回読谷まつり」の開催は、本村の文化、芸術、農業、漁業、商業等の発展を目指す総合的発表の場として、老若男女、全ての村民が参加し、村民相互の親睦、融和を図り、読谷村の発展への原動力たらしめるたのめ計画であります。
 尚、読谷村誌(史)としての資料編及び通史を発刊する為の準備の年として、以後、数年を要して編纂事業を推進していく所存であります。

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