読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1980年4月発行 広報よみたん / 4頁

昭和55年度施政方針 4、本年度の実施事項 (2)産業経済の振興のための施策 (3)社会福祉の増進のための施策 (4)生活環境の整備に関する施策

〔243号2・3ページの続き〕

(2)産業経済の振興のための施策
①生産基盤の整備
 本村の主要な産業は農業及び畜産業であり近年養殖漁業等への取り組みもあり次第に産業の基盤整備が進められつつあります。
 復帰後本県においても農業の見直しがさけばれ、真剣に農業問題が検討され具体的な施策が展開されるようになって参りました。
 沖縄の置かれている亜熱帯としての自然条件と石油資源が国際問題化している現況の下で、本村の立地条件と地域特性を考えあわせた場合、地道ではあるが着実に所得を増やし生活を向と安定させるためには農・畜・水産業の振興はきわめて重要な課題であります。その為には、土地の有効利用と諸制度の活用が最も肝心であります。
本年度の主な事業は、農業の生産基盤の整備として継続・新規は次の事業で、
(イ)座喜味地区農村基盤総合整備事業の継続実施(五年次)は、ほ場整備(一・六ヘクタール)、集落内道路整備(四本)。
(ロ)渡具知地区土地改良総合整備事業(二年次)は、区画整理(十一・六ヘクタール)、基幹農道(一本)の整備。
(ハ)西部連道地区土地改良総合整備事業(ボーローポイント)は、五五年度新規採択で全体の実施設計に入る予定であります。
 これらの事業は、農業の近代化と農村集落の健全な発展と、併せて労働生産性の向上と農業所得の増大を期し、農業経営の安定を図るものであります。
 このように、本村においてもいよいよ各地域で地域の主体的な取り組みと申請にもとづいて農業生産基盤の整備が活発に行われはじめました。
②長浜川ダム県営一般かんがい排水事業
 本村の農家所得を引き上げ、村民の生活向上を図るためには、生産基盤の整備事業と共に最も大切な事は農業用水の確保であります。サンゴ石灰岩を母材とした保水力の乏しい本村の農地でも、村民の理解と協力によって干ばつの被害をなくすことができ、自然の天候まかせの農業でなく、農家が計画的に散水し農業所得を増大させる目的で進められているのが県営一般かんがい排水事業であります。今年は、ダム全計の実施設計が行われます。この事業計画は長浜川にダムを築造し、農業用水を確保すると共に水路等を設置し、農耕地二八○ヘクタールを対象に農業の生産性の向上を図る目的で行われるものであります。農家の皆様が戦前戦後を通しての悲願が関係地域の皆様方の深い御理解と御協力によって一歩一歩実現する運びとなりました。
 読谷村民にとって正に世紀の大事業となります。事業の実施主体は県でありますが、読谷村及び読谷村民にとりましては「村民自体の事業」という受けとめ方でなければなりません。本村の現在及び将来にわたって村民に喜びの慈雨と豊かな恵みをもたらすものであります。工事が完了するまでには一定の時間と全村民の御理解と御協力が必要でありますのでよろしくお願い申し上げます。
③第二次農業構造改善事業
 今年は、第二次農業構造改善事業(四年間)の二年次に入ります。これは五七年度までの事業計画の認定を受けそれに基づいて事業が施行させるのであります。
(イ)農業構造改善事業としては、農業組織化促進事葉と渡具知野菜生産組合の共同利用温室、共同かん水施設、共同利用農機具等の近代化施設整備事業を実施する計画であります。
(ロ)農林漁業構造改善村落特別対策事業として、農林漁業を基盤とし、活力ある豊かな地域社会の形成を図るため、村づくり推進活動の助長と環境施設の整備を促進するための事業として、連絡道整備事業(農協野菜集出荷場の北側)及び多目的研修集会施設として高志保集落センターの建設を実施する計画であります。
(ハ)水産業構造改善特別対策事業として、漁業協同組合の漁業生産の振興を図るため、近代化施設の設置により、生産性及び取益性の向上と漁業所得の増大を図る為に製氷施設整備事業を実施する計画であります。
(3)社会福祉の増進のための施策
 村民の長年の要望でありました読谷村社会福祉総合センターが読谷村社会福祉協議会の事業として、いよいよ本年度から開所します。センターが村民のニードに応え地域の福祉活動の拠点として、その機能を発揮することは勿論、各団体の文化活動の新しい場、老人の憩いの場等々、このセンターに寄せる村民の期待は大きく、福祉と文化の側面から活動が総合的に展開される中から、村民総参加の新しい村づくりの拠点として位置づけることが大切である。その為に運営費等の助成策を講じていく所存であります。
 児童福祉施設(保育所)の整備については、字大木以南に社会福祉法人「実り福祉会」から保育所設置認可申請があり村は村民の保育ニードに対応していくため、建築費の一部を補助し本村児童福祉の増進を図っていく考えであります。
 在宅老人福祉については、これまで専任の老人家庭奉仕員を派遣して参りましたが、ねたきり老人及び一人暮し老人の増大しつつある福祉ニードに対応していくために、今年から地域老人家庭奉仕員を設置し、在宅老人の福祉向上を図っていく考えであります。
 福祉の前提は村民が心身共に健康で明るい生活を送ることであります。
 その為に、診療所が村民の医療福祉の向上に大きく貢献しているのであります。その施設の一部を健康管理センター的に位置づけ、村民の予防接種、健康検診等の保健活動業務を行うと共に、今年から各字各地域に母子保健推進委員を設置し、村民の健康管理及び健康の保持増進の問題を地域ぐるみで取り上げ健康で明るい村づくりの一肋にしたいと思います。
(4)生活環境の整備に関する施策
 生活環境の整備は、明るい住みよい村づくりの基本的条件であり、村民の文化的生活向上と快適な暮しのため重要な事業であります。
 人間生活に欠くことのできない水の問題は、ここ数年抜本的に解決すべく鋭意努力を重ね、全村的に水道施設はかなり改善されて参りました。今年は、楚辺、部屋地内の配水管改良工事(七、七四一米)を実施し、該地域の施設の老朽化が進んでいることと、防災用施設の充実を図る為に、地域内の配水答を全面的に改良するものであります。
 住民生活の根幹である道路を整備し、生活環境を整えるため、今年もトリイ通信施設周辺復帰先地公共施設整備事業として道路、水道等の事業を計画しており、これは渡具知区民の旧部落への復帰の為の事業であります。
 村道改良舗装工事として、大湾線、比謝一号線、伊良皆西線、喜名一号線、長浜東線、残波線、交通安全施設等整備事業(長浜通学路含む)等の事業を計画しております。都市計画事業は三年目を迎え、公園緑地、児童公園、古堅地区土地区、画整理事業(組合施行)等を計画して、生活環境の改善を図り、健全な発

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