読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1980年4月発行 広報よみたん / 5頁

昭和55年度施政方針 4、本年度の実施事項 (4)生活環境の整備に関する施策 (5)地場産業の育成及び商工業等への助成に関する施策 (6)読谷飛行場問題の解決促進について (7)海岸域等の整備計画実施の促進 (8)行政区改善について (9)昭和55年度予算及び案件等について

〔243号2~4ページの続き〕

展と村民の憩いの場として、大木児童公園の事業を実施して参ります。
 排水路改良工事には大木幹線下水路(都市下水路)、伊良皆~大湾排水路、大湾排水路、砂糖屋敷原排水路(高志保)、都屋遊水池(用地取得)等が計画されております。
 し尿処理については、中部五市町村の一部事務組合で処理場の建設が進んでおり、長年続いて来た海洋投棄から、近代的な終末処理であるし尿処理場で今年から処理することになります。
 一般廃棄物(ゴミ)の処理については、現在渡具知にあるゴミ処理場で処理しているが、渡具知地域に今年から土地改良事業が入るため、処理場をボー口ーポイント(儀間の粉貝屋原)地域に新設移転することになります。
 消防行政については、ここ数年消防力の強化、消防行政の充実を図って参りましたが、今年は消防防災体制の強化の為、訓練場の整備をはじめ、防火水槽二基、消火栓十五基を設置し、消防施設の強化を図り、村民の生命、財産を守るよう努力する考えであります。
(5)地場産業の育成及び商工業等への助成に関する施策
 読谷村の代表的な地場産業には、「読谷山花織」「読谷壷屋焼」があります。この二つは沖縄の伝統工芸品であり、読谷村のみならず沖縄県民のかけがえのない共有財産であります。
 花織も関係者の努力によって地道ではあるが、年々発展しており、今後とも地場産業として発展させる為助成策を続けていく考えであります。
 基本構想に基づいて進められた「ヤチムンの村」の建設も関係者のなみなみならぬ努力による主体的な取り組みと県、村の助成も加えて見事な読谷壷屋焼共同登窯の完成をみることができました。今や「ヤチムンの村」の胎動は内外から大きく注目され、今後一層の努力が要求されるのであります。これから製作活動が展開され、軌道に乗ることによって、本村の目指す人間性豊かな環境・文化村の内実として発展するものと確信するものであります。今後とも広く村民各位の「ヤチムンの村」への温い御理解と御指導を賜りたいと思います。
 特殊公益法人である読谷村商工会も結成以来六年目を迎え年年発展の一途をたどっております。今後とも商工会の目指す目標に向って会員各員の主体的活動を促進し、その発展のため助成策を続けて行く考えであります。
 ムラおこしシンポジュームは、村民各界の出席のもと、本村の産業経済全般について村民自らが問題を提起し討論し、地域経済の発展の方向性を志向すると共に、ムラおこしの思想性や方向性を探求する為の研修会で、明日の読谷のムラおこしの活力にする為の計画であります。
(6)読谷飛行場問題の解決促進について
 戦争が終って三五年、沖縄が日本復帰して九年目を迎えようとしている。読谷飛行場は太平洋戦争の時に日本軍によって接取されて出来た飛行場である。従って、読谷飛行場問題は戦争の後始末が未だなされてないところに問題があります。
 今口まで地主会、村議会、村の三者が一体になって国に対し強力な返還要請を重ねて参りました。この問題は、国会においても何回となく取り上げられ、政府はその取り扱いに苦慮している状況であります。政府も逐に昨年「三原発言」を表明せざるを得なくなったことは、地主会を中心とする村議会、村の強力な要請の一定の成果と云えるのであります。
 この問題は戦後処理の極めて重要な問題だけに早急に解決すべき事柄であり、今までにも増して強力に地主会、村議会、村が一体になり、これを更に全村民が支え、政府に対し積極的に具体的問題を提示しながら解決策を講じて行く必要があります。その為、関係者と相提携して、主体的に取りくんで参ります。
(7)海岸域等の整備計画実現の促進
 海岸線利用計画及び保全策は本村の大きな課題であります。本村の海岸線はほとんど軍用地に接収されていたため緑地や砂浜、海への道路も皆無に等しい状態で荒廃しております。海岸線の整備計画の主旨は、陸地部分の利用と海岸部分の利用を明確にする為であります。豊かな海岸線の海浜植生を保全し、防潮・防風林の一大植樹事業を長期展望のもとに計画しようとするものであります。壮大にして長期的な一大植樹事業と併せて、景勝地、残波岬一帯の利用方法の具体化が当面大きな課一題であります。景勝地であるだけに、今こそ、村民の英知を結集し、将来、悔いのない形での開発方法を村民自らの力と意欲で計画する必要があります。
(8)行政区域改善について
 行政区域の改善につきましては、審議会の答申を受け、昭和五四年四月実施すべくその方針が示されました。
 改善策の具体的な取り組みとして各字との話し合いや、未加入者の方々との懇談会の開催、行政区加入の手続き事務等を進めてまいりましたが、しかし、行政、区域や未加入者の抱えている複雑多岐にわたる事情が内包しているため、方針どおり実施出来ませんのは誠に遺憾に思います。今後も行政区加入へのよびかけをはじめ行政区域改善の努力を続けていきたいと思います。
(9)昭和55年度予算及び案件等について
 昭和55年度予算編成に当りましては、今まで申し上げました施策を重点に編成をして参りました。
一般会計予算    3,764,588,000円
水道事業会計     409,731,000円
国民健康保険特別会計 532,766,000円
診療所特別会計     79,122,000円
であり、4会計で4,786,207,000円規模の予算になっております。

今回議案16件提案して参ります。
尚、この外、今会期中に数件の議案の追加提案を予定しております。
 最後に、本村のかかえている諸問題解決のため議員各位の一層のご協力とご指導をお願い申し上げ、昭和55年度の施政方針の説明を終ります。

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