久遠の理想揚げ 古堅南小学校、古堅南幼稚園、開校開園 緑うるわしい校風づくり 分離式は12月を予定
「さあ力強く出発だ」-本村五番目の古堅南小学校・同幼稚園が去る四月七日開校・開園した。この歴史的な一頁を飾る記念式典がこの日の午前十時分ら古堅小学校体育館で開かれ、岳原宜正初代校長以下全教職員、四七二名の児童生徒をはじめ、父兄、それに山内村長、安田助役、新崎教育長ほか多数の来賓が参列する中で開かれた。
式典会場になった古小体育館のバックスクリーンには七色のテープが美しく彩られ、未来にはばたき、限りない夢と希望を育む躍動を彩る。また「躍進」と大書くりぬかれた文字は今後の躍進発展を象徴するかのよう。一方、ステージの両端には甘い香りを会場いっぱい漂わし、優雅に咲きほこる種々の洋ランはひときわ美しく会場を彩り、開校・開園式典を迎えるに華々しい式典会場となっていた。その中を午前十時、古堅小学校との分離式を済ませた四七二名の児童生徒が岳原校長を先頭に会場に姿を見せ、美しく飾られた花輪の中を足音高く力強くくぐり、歴史的な開校へのセレモニーが展開された。
式典は、まず仲嶺教頭の開式のことばで幕を開き、つづいて六名の児童代表がステージ中央に歩みいで、二個の大きなクス玉が力強く割られた。一瞬、七色の花ふぶきが会場いっぱいに舞い「さあ力強く出発だ」「おめでとう」の二本の垂れ幕がサッと垂れ下がり、歴史的な一瞬に会場はドッと沸き立ち開校・開園を祝う拍手は大きなこだまとなって広がっていた。
そのあと岳原校長が式辞に立ち「戦前幾多の人材を育んできた『古堅国民学校跡』ゆかりの地に今再び歴史の一頁を綴ることは正に感激のいたりとするものです。私たちの母校は広い面積をもち、その中で『ゆとりと充実』を教育目標に、そして木々の緑、花に囲まれたうるわしい学園づくりに力を合せて頑張って行きましよう」。と初代校長として感慨深い式辞を述べられていた。また児童代表の松田枝利子さん(六年生)は「古堅南小学校の歴史的なスタートを切る私たちは何んと幸せでしょう。これからは新しい学校での校風づくりにみんなで協力しあい、沖縄一のすばらしい学校にしていきたい」。と夢ふくらむ決意のことばを語り会場から盛大な拍手を受けていた。一方、全児童には紅白の祝まんじゅうが配られ、小さなからだいっぱいに開校・開園を喜びあう児童たちであった。
☆……古堅南小学校・同幼稚園は字古堅差門原一帯に一万二千坪の大地にしっかりと根付き「久遠の理想をかかげ」つち音高く建設されている。
同校敷地は戦前幾多の人材を生み育んで来た教育ゆかりの地であり、再び教育のともしびが点火されたものだ。一方、拡大な学校敷地は県下随一を誇る。その中で多くの理想郷がうずき児童生徒・教職員・父兄・また村民一体の学園づくりは二十一世紀を展望しゆくモデル校としての位置づけがなされている。ことに学校敷地周囲の五メートル地点は緑うるわしい樹木のグリーンベルト帯を植栽し、正に緑の中の学園、ユートピアたるモデル校が想定されている。
現在進められている工事は第一期工事であり、近々第二期工事の発注段取りとなっている。二期工事では普通教室(七)特別・特殊教室(三)を予定し、今年中に竣工を予定している。新設校への分離は、その時を待って行われるが、当分の間は古堅小学校での間借り授業を余儀なくされる見通し。
古堅南小学校は昭和五六年度をもって基本施設は完成し、以降、緑化造成、校内整備への計画が進められ、正に久遠の理想を求めゆくユートピアの「古堅南小学校・幼稚園」の校風が築かれることになっている。
※写真「ぼくのまんじゅう大きゾーと開校開園を喜ぶ児童生徒」は原本参照