読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1980年5月発行 広報よみたん / 4頁

演習場撤去までガンバロー 読谷飛行場内米軍落下傘降下演習場撤去要求促進村民総決起大会 寒空に一千人余りが決起

演習場撤去までガンバロー 読谷飛行場内米軍落下傘降下演習場撤去要求促進村民総決起大会 寒空に一千人余りが決起
 一、日米両政府は読谷飛行場の落下傘演習場の撤去を早急に実現せよ。一、米軍は読谷飛行場内の落下傘演習を即時中止し軍用地を返還せよ。一、日本政府は読谷飛行場の戦後処理としての旧地主への所有権回復を早急に実現せよ。以上三つの大会スローガンを掲げ、去る四月十八日午後六時三〇分から読谷運動広場内において『読谷飛行場内米軍落下傘降下演習場撤去要求促進村民総決起大会』が開かれた。
 今度の村民総決起大会は、昨年十一月十三日に開かれた「米軍落下傘降下演習事故に対する抗議並びに演習場撤去を要求する村民総決起大会」に次く第二弾の村民ぐるみの大会で、この日の大会には開会前から続々と村民が詰めかけ、開会直前には約一千人余りの村民が決起した。
 大会は源河朝法氏(村商工会長)の開会のことばを受け、続いて安田慶造助役から経過の報告を受けた。安田助役は「旧読谷飛行場内における米軍落下傘降下演習場撤去に関することは村民の熱烈な闘いの中に一応の成果をみることができた。このことは東京サイドにおける日米施設特別委員会に日本政府側から「旧読谷飛行場内における落下傘降下演習は不敵格」との立場で移設(撤去)に向けて正式提案されるまでにいたり、具体的な話し合いがもたれている。しかし、その意に反し現地米軍は村民無視の降下演習を繰り返し村民の生命の危険度は以前に増して脅かされている。しかも、村民の無言の抗議とする立看板等が意図も簡単に踏み倒され、現地米軍の行動は卑劣きわまりない。こうしたことは絶対に許してはならない」。と厳しくこれまでの経過の報告を行った。
 そのあと大会実行委員長である山内徳信村長が挨拶に立ち「旧読谷飛行場内における米軍落下傘降下演習の撤去に関することは日米間の正式外交ルートに乗って話し合いがもたれているとはいえ、今尚、米軍の軍事演習は続けられ、まことに憤満やるかたない。戦後三〇有余年経過した今日、我が読谷村における戦後処理はまだ終ってない。米軍の軍事演習が続く限り、村は先の大戦の忌まわしい悪夢を甦らせ、村民は戦場の中で生活しているようなものだ。今こそ村民が立ちあがり、全村民の総決起でもって演習場撤去をかちとって行かねばならない」。と力強く挨拶された。
 引き続き議長団選出に移り、佐久間盛夫氏(区長会代表)我喜屋ハツエ氏(村婦人会)仲宗根盛良氏(読職労)の各氏を議長団に選出したあと、村内各組織代表の決意表明を受けた。決意表明は新垣秀吉氏(村議会議長)比嘉憲一氏(所有権回復地主会代表)比嘉光義氏(区長会代表)神村靖雄氏(学校代表)比嘉良長氏(教相代表)宮城貞子さん(村婦人会代表)上地武昭氏(読青協代表)与那覇守文氏(労組代表)が壇場に立ち、各々の立場で力強い決意表明を行っていた。中でも「ここ一番が踏ん張り時だ。軍事演習の即事中止、撤去まで気を引き締め、私たちの祖先が血のにじみいでる思いで築きあげたこの土地を一日も早く取り戻さねばならない。その時が必らず来る。早期実現のためにも一層闘いを強化しなければならない。村民団結ガンバロー」とする各々代表の決意表明に場内は割れんばかりの拍手が響きわたっていた。
 各組織代表の決意表明のあとは、伊波栄徳氏が大会宣言及び要請決議文を読み上げ、原案通り万場一致で採択された。最後に金城松義村老人クラブ会長が壇上高く挙を振りかざし「軍事演習阻止!ガンバロー」を三唱、大会は午後八時過ぎ散会した。
 今大会は、これまでの一連の闘いの中から一応の成果を見る中で、東京サイドの日米施設特別委員会の正式ルートに乗った今日、移設・撤去に向けての村民意志を率直に伝え、早期解決を強く働きかけようとする促進村民総決起大会であった。この日の大会場は四月といえども膚寒い悪天候下で行われたが、それでも防寒具に身を固めた村民は足早やに会場に詰めかけ「さあ~決着だ。落下傘降下演習阻止・所有権を回復せよ・軍事基地撤去」と心の中に秘める闘いの決意は大会を一層盛り上げていた。
 尚、この日採択された大会決議文「読谷飛行場内米軍落下傘演習場の撤去促進に関する要請決議」は去る四月二四日、山内徳信村長以下十一名の代表団が那覇防衛施設局・沖縄県知事・沖縄県議会及び米総領事に「要請決議文」を直接手渡した。一方、東京サイドの内閣総理大臣以下八機関への要請決義文はとりあえず郵送でもって村民の意志を伝え、後日上京し関係官庁へ強力な、要請行動を展開することにしている。

※写真「演習場撤去ガンバロー 意気燃ゆる村民総決起大会」は原本参照

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