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1980年7月発行 広報よみたん / 4頁

養豚農家に朗報 経営安定資金の貸付け 母豚一頭につき七万円

養豚農家に朗報 経営安定資金の貸付け 母豚一頭につき七万円
 本村農業の主役を演じる養豚農家は長期にわたる豚価の低迷で、経営状態は極めて苦しい状況だという調査の結果が、このほど役場経済課で総められた。
 豚価の低迷は全県的なもので本村に限ったものではないが、その対応策が見出せず、それぞれの養豚農家は暗中模索の中にあるといわれる。
 本村における農業は主として有畜農業に主眼をおき、農業振興を推進している。ことに養豚については「仔豚生産基地」の位地づけがなされ、本村から生産される仔豚は県内の肥育豚農家への供給基地である。ひところ、異状高値が続く中で仔豚景気に沸いたが、異状値とあって豚価は次第に低迷。中でも肥育豚農家への打撃は大きく、その影響は必然的に仔豚生産農家へはね返ってきた。現在、県内での豚の飼育頭数は約二九万頭だといわれ、その桁違いの頭数が需給のバランスを崩す要因のひとつだといわれている。また、消費者の豚肉離れも豚価の下落に追いうちをかけているとのことで「食膳に豚肉を」と生産農家は声を大にして豚肉の消費を呼びかけている。
 村経済課のまとめによる昨年末の村内における豚の飼育頭数は約七、六〇〇頭。これに対し、今年四月末では約六、四〇〇頭で僅か四ケ月間で二二%の減少率になっている。このことは、ひところの一万余頭台を推移していた時に比べ、約半減したことになっている。
 豚価は周期的に急騰、低落をくり返すといわれ、ことに、ここ数年の低迷ぶりは長すぎると嘆く養豚農家もいる。また、それに拍車をかける飼料の値上がりは、少数飼育養豚農家の豚離れに一層拍車をかけ、現在は主として多頭飼育農家が豚価の持直りをかたずをのんで待っている現状だという。
 現在の養豚農家数は三三四戸。ひところの生産すれば売れるという甘い夢から脱皮し、良い仔豚を生産するのに懸命だ。これは、三元交配でもって肉質の良い豚を生産し、市場性を高めようとするもので、役場経済課では経営改善の指導につとめている。一方、養豚農家の経営安定資金として、母豚一頭につき七万円(年利五%)を経営資金として貸付しており、広く利用していただくよう呼びかけている。

※写真「むつましい親子のきずな、豚といえどもかわいい」は原本参照

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