こどもの虫歯は親の責任 第2回虫歯予防村民大会
六月の「歯の衛生週間(四日~一〇日)にちなんで、村役場、県環境保健部主催による第二回むし歯予防村民大会が、去る六月七日午前十時から中央公民館ホールで開かれた。
今大会は「守ろうこどもの虫歯」をスローガフに、会場には開会前からお母さんたちに手をひかれたチビッ子たちが多数参加、ひときわにぎわいをみせていた。一方、会場には、各小学校から出展された虫歯予防ポスターや作文、それに虫歯に関する統計パネルの展示も行われ、大会を盛りあげていた。ことに作文では、虫歯の予防を呼びかけると共に、虫歯で泣かされたことの体験を克明に文章に綴っていた。また、各小学校代表がそれぞれの体験にもとずいて意見発表し、虫歯予防で健康なからだづくりに努めようと呼びかけていた。
式典後は歯科医師による末就学児童を対象にした歯科検診が行われた。その中で、虫歯予防のフッ素塗布や虫歯促進止めの塗布が行われた。この日の検診には約四五〇名の未就学児童が母親と共に参加、歯科医からそれぞれの進行度によって、虫歯予防のアドバイスを受けていた。
小学校二年生で一〇〇%の虫歯率
次に統計パネルでみた村内小学生の虫歯状況をみると、実に恐ろしい程の結果が出ている。左記の統計表が示す通り、県内でもワーストテンに入る虫歯率だといわれ、ことに小学校二年生になると一〇〇%の虫歯率だといわれている。また、一番少ない虫歯率は永久歯が生えそろう六年生の高学年だが、それでも九六・五%の虫歯率になり、健康歯をもつ児童は僅かに三・五%、正に宝の歯に相当するものだ。
本村でこのように高率の虫歯率があるのは、その責任の一端は親にあるという。ひどいのになると三歳児で全部虫歯だという幼児もいて、親たちが虫歯に対する関心があるか、ないかでもって子供の虫歯本数を知ることができる。と検診にあたられた歯科医師は指摘していた。また、本村には歯科医院が皆無の状態であることも虫歯の進行及び未処置虫歯進行に拍車をかけているのではないかともいっていた。
次に学年別で見る虫歯の未処置・処置状況についてみると、最も多いのが小学校一年生で、七・七本。続いて二年生の六・二本と続き、高学年に従って虫歯に対する関心が強くなり、虫歯の未処置歯数は少なくなっている。一方、虫歯の治療状況は別表の通りで、高学年でも過半数が末治療のままになっている。
虫歯は親の歯に対する関心の度合でもって子供の虫歯の状況を知ることができる。あなたのお子さんの虫歯は何本ありますか?。小さい時の虫歯は永久歯にも何かと影響するといわれます。「歯の健康」について、今一度親も子も一緒になって考えてみてはいかがでしょうか。
乳歯は永久歯の水先案内人 子供のむし歯は一生ひびく
子供の歯-乳歯はいずれ永久歯に抜け代わるのだから、少々むし歯になってもたいしたことはない-などと軽く考えていては、後々とり返しのつかないことになりますからご注意を。
六、七歳になると、乳歯がぶらぶらになって、やがて抜け落ちますが、この乳歯こそ、その後にはえてくる永久歯-一生使う大切な歯-の基礎となるものです。
「乳歯は永久歯の水先案内人」といわれるのもぞうしたことからで、乳歯にむし歯があると永久歯との交換がうまくいかず、八重歯や乱ぐい歯(歯列不正)になってしまいます。
歯並びが悪いのは、顔だちにひびくばかりでなく、むし歯や歯周疾患の原因になります。
むし歯の痛みがひどいと、子供は心身ともにまいってしまい、その結果は食欲不振、偏食という悪盾環をたどることになります。発育ざかりの子供の身長や体重の横ばい状態がよくみられるのも、むし歯が原因である場合が多いのです。
また、むし歯のために微熱が続き、リンパセンがはれ、さらに心臓病や腎炎などの全身病を起こす場合もあります。
そのほか、むし歯がひどいと、人前に出てもひけ目を感じたり、正しい発音ができにくいために、話すのが苦痛となり、内向的な性格になることもあります。そして、場合によっては知能の発達にまで影響を与えることがあるといわれます。
乳歯を大切に-。
※写真「虫歯のいたみ忘れません。歯を大切に-と訴える児童代表」、「子供と歯 むし歯予防は、まず歯をみがくことから」、表「村内小学校虫歯の状況」、「村内小学校むし歯の治療状況」は原本参照