読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1980年7月発行 広報よみたん / 7頁

カメラがおう やちむんの里 300年ぶりに甦るやちむんの里 座喜味横田屋原に堂々完成

〔246号6ページの続き〕

その弟子たち、地域の理解、関係官庁の支援でもって、凄じいほどの情熱と創造性は二年の歳月を感じさせず「やちむんの里」その全貌は四辺緑に囲まれた静かな佇まいの中に堂々と完成をした。
 やちむんの里は沖縄の素朴さを失わせず、ことに灼熱の太陽にきらびやく真赤な赤がわら屋根、そして九連房の登り窯を支える主柱の石積、やちむんの里に足を踏み入れた途端、現代社会の殺伐とした心・コンクリート渦の雑沓からの解放感と心への安らぎを感じることができる。また、九連房の登り窯からモクモクとたちこもる白い煙りは、あくまでものどかで情景豊かさをかもし出し、そこから生まれるやちむんは沖縄独特の膚の温もりを感じさせるものだ。一方、「やちむんの里」全体が緑濃い琉球松に囲まれ、その景観こそ大自然とみごとに調和し、まさに沖縄の建築文化を象徴する壮観をかもしだしている。
 やちむんの里における制作活動は、沖縄の伝統的技巧、技法を継承発展させることを基本に、生活雑器を主体に制作、地域に定着させることを目標に創造発展させることにしている。
☆……三〇〇年前の歴史を甦えらせ、我が村の歴史への一頁を刻み込んだ「やちむんの里」読谷山壼屋共同窯のオープニングは去る七月三日、やちむんの里中央広場で盛大に開かれた。この日の式典には三〇〇名余りの来賓が招かれ、ズラリと展示された初窯の作品を鑑賞しつつ、地酒のあわもりを酌み交わし読谷壷屋共同窯の窯開きを盛大に祝い、夜おそくまでにぎわった。
 一方、共同売店での初窯のやちむん即売会は、終日にわたり一千人余りの来客で押すな押すなの大盛況を呼んだ。中には県外からも足を運こび、沖縄観光の記念にと初窯のやちむんをドッサリと買い求め行く観光客もみられた。

※写真「オープニングには300名余がかけつけ祝う」、「歴史的な甦りを告げる初窯開き、一瞬緊迫する。」、「山田真萬氏」、「玉本輝政氏」は原本参照

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