読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1980年8月発行 広報よみたん / 3頁

あなたの温い愛のひと声が青少年の非行を守る 読谷嘉手納青少年を非行から守る住民大会  「子供のウソについて」非行のきざしと親の関係  非行の芽早くつみとろう

あなたの温い愛のひと声が 青少年の非行を守る 読谷嘉手納 青少年を非行から守る住民大会
 「夏だ!きたえよう心と体」「夜遊びはするな・させるな・見逃すな」をスローガンに去る七月十五日午後二時から嘉手納町中央公民館において「青少年を非行から守る嘉手納・読谷地区住民大会」が開かれた。
 大会には嘉手納警察署はじめ地区防犯協会、両町村の関係団体から約三〇〇名が参加して開かれた。その中で、主催者側あいさつにつづいて読谷村婦人会代表・知花由紀子さん、読P連会長・玉城秀明さんら六名の地域代表が演壇に立ち、それぞれの立ち場から青少年の非行防止について訴え、決意表明を行った。
 また、運動を進める目標に、
(一)、みんなで青少年の非行防止活動の輪をひろげよう。
(一)、青少年の強い体力づくりとよいしつけに努めよう。
(一)、青少年の夜遊びは、やめよう、やめさせよう。
(一)、青少年に有害な環境の浄化に努めよう。
(一)、交通事故、水難事故から青少年を守ろう。
(一)、シンナー薬物乱用は、やめよう、やめさせよう。
(一)、青少年の非行防止、環境浄化活動にすすんで参加しよう。
を全員で確認、両町村から少年非行を出さない地域ぐるみの「愛のひと声」運動を展開しようと決意をあらたにした。また、毎月第三土曜日を少年を守る日とし、地域ぐるみで少年非行、その芽をつみとる未然防止のための地域協力を行うことの確認も行った。
 一方、大会終了後は再町村二手に分かれて街頭にくり出し、広く村民に「青少年を非行から守ろう」と村一円にわたり街頭パレードを展開した。

「子供のウソについて」非行のきざしと親の関係
 「カゼは万病のもと」といわれます。いろいろな病気の”引き金”になるわけですが、そのカゼにも本格的になる前に潜伏期間があります。クシャミをしたり、体が何となく熱っぽかったり、だるかったり……こうした潜伏期間のうちに的確な処置をしておけば、大事にいたらないですみます。
 非行という”心の病”にも潜伏期間があります。早目に手当てをするためには、ふだんの”健康状態”に注意していて、変調を一日も早く察知することがまず第一です。
 非行化への”潜伏期間”に見られる典型的な症状の一つに「ウソ」があります。
 ウソをついてはいけないと知りつつも、時にはウソをついてしまうのが人間です。そこで、何のためについているのか、ウソの背景を見分けることが大切になります。
 ついてもかまわないウソ、聞いている方がウソだと心得ていれば害のないウソ、かくしごとや悪いことをしていて非行化につながるウソ-いろいろなパターンを判別することが大切です。
 非行の年齢は、反抗期とも密接に関連します。「自分がウソをつきました」というよりも「さっき自分じゃないといったのはウソでした」という方がいいにくく、勇気のいるものです。
 ウソの”追及”が、逃げ場のない厳しい追及や非難では、せっかく見つけた非行化のきざしも、つみとるどころか逆に大きくしてしまうことにもなりかねません。ウソがウソを生んでいくのです。
 ふだんから子供の”心の健康状態”をよく知って「ウソは悪いこと」と頭から決めずにその原因をよく理解してから措置すること-これが非行防止のポイントです。

“非行の芽”早くつみとろう
 夏休み期間中は、規則正しい学校生活から”開放”されて児童・生徒の生活リズムは多少なりとも乱れがちです。
 少年非行の多くは、この長い休みの間に芽生え、育ち、秋の新学期のころには学校ぎらいや家出、さらには盗みといった本格的な非行の道を歩みはじめることになります。夏休みは、少年自身の解放感と気のゆるみに加えて「休みの間ぐらい」とか「うちの子に限って……」といった家庭の甘やかしが、とくに夏休みに非行がふえる原因になっています。
 ところで、先に嘉手納警察署がまとめた昨年の村内における「不良行為補導状況」調べによると、三二二名の少年少女が何かの不良行為として補導きれている。不良行為のワーストスリーをみると「夜遊び」が最も多く二一六名「喫煙」が六一名「飲酒」が三一名となり、その他家出、不純異性交遊と続いている。
 このような非行の特徴としては動機が単純で、罪の意識の希薄な”遊び型”が大勢を占め、ふえ続けているとのことです。
 ”非行の芽ばえの季節”からかわいい子供たちを守るためには、保護者は子供のよき相談相手となって、家庭全員が話し合う機会を出来るだけ多く持ち、日頃から相互理解を深める努力が大切です。
 夏休み、そして明けばとくに次の点に注意して下きい。
 〔生活のリズムを崩さない〕
 盆踊りや花火大会など夜間の野外行事が多く、夜遊びのクセがつきやすくなります。また、昼間は暑いこともあって、生活パターンは”夜型”になりがちです。このような生活のリズムは、夏休みが終わってもすぐに直りにくく、学校ぎらいや家出に結びつき、非行化の原因となります。
 第一に、子供の生活リズムを崩さないこと、そのためには、家族全員が規則正しい生活を心がけることです。

※写真「みんなで温かく見守り、ひと声かけて少年非行を守ろう。」、イラストは原本参照

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