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1980年9月発行 広報よみたん / 10頁

波平区アガリジョー 大松枯れ死寸前

波平区アガリジョー 大松枯れ死寸前
 波平区アガリジョーの平ガジュマルと共に区民のシンボルとして親しまれている樹齢百数十年(定かでない)樹高二〇メートル、樹径三メートルの大松が今、枯死の危機に直面し区民をあわてさせている。
 この大松はアガリジョー(アシビナー)知花正徳さん宅の前にあって、旺年のゆたかな緑は区民の目を楽しませていた。大松の異変に気ずいたのが六月中旬下枝の方から茶かっ色に変色しはじめた。事のおこりを重視した知花治雄区長は役場経済課に何とか蘇生の妙案はないものかと相談。結局枯枝を切り落すことで大松の衰弱を食い止めようと意見が一致、去る八月八日に枝打ちを行った。
 大松の枯死寸前の原因は昨今中部以北に異状発生しつつある「マツノマダラカミキリ」の幼虫の仕業だと言われ、本村においてもかなりの松に被害が出ているという。ことに、国道東側の軍施設内は紅葉しているが如く枯死している松が多い。
 波平区アガリジョーにはかつて九本もの大松が緑たわわに小陰をつくり、格好のアシビナー(遊び場)だったという。戦後松くい虫の被害に遭い、次々と枯死。残るのは今ある一本のみとなった。最後に残る大松をぜがひでも守ろうとする区民の熱意は高まるばかりで、何とかならないものか。区民のシンボルその雄姿をいつまでもとどめてほしいものだ。

※写真「大人3人でとりまく波平アガリジョーの大松」は原本参照

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